これまで支払われていない残業代を請求したい。
と思っても

タイムカードなど時間管理をするものが会社にない。
タイムカードはあるが、退社時には押させないようにしている。
出勤簿にハンコを押すだけで、どれだけ残業したかわからない。
というような場合があります。

このような場合には、残業代を請求できないのでしょうか?

このような会社では、正確な記録が何にもありません。
労働者自身が記録していなければ、誰も残業時間を正確に把握している者はいないということになります。

そのような場合には、大よそで請求するしかありません。

会社に勤務しているのであれば、残業時間を示す資料が会社にない場合、自分で記録するようにしましょう。
会社の賃金計算期間に合わせて、手帳なりメモ帳なりに、毎日の出勤時間と退勤時間を記録しましょう。
事情が許せば、3か月程度を記録すれば何とかなるでしょう。

しっかり記録すれば、3か月間の残業時間がわかりますし、残業代も計算できます。
メモした3か月以外の月も、同じような程度に残業しているのであれば、3か月の平均値を他の月にも当てはめて請求するのです。

退職してしまって、記録しようもない、という場合には、大体において、「少なくとも1時間(時間は各人の実態に応じて変動)は残業していた」と見積もって請求金額を計算して請求します。

本来、「時間管理の義務」は使用者にあるのですが、その義務を果たしていないのですから、どの程度で折り合えるかは交渉次第ということになってしまいます。

いざという時のために証拠の資料を収集・保存することが大事です。