会社の都合により、大量に労働者を解雇することを、整理解雇と呼んでいます。

解雇される理由が労働者にないにもかかわらず、労働者が解雇されることになりますので、このような整理解雇が認められるためには、一定の要件を会社側に課し、その条件を満たしてはじめて、整理解雇が認められることになります。

労働契約法第16条には、解雇は「客観的に合理的理由を欠く解雇」、「社会通念上相当と認められない解雇」は、「解雇権の濫用として無効とする」とあります。

この労働契約法は、2008年3月からの施行ですが、労働契約法ができる以前から、労働者のたたかいによって整理解雇についての判例を積み重ねてきました。
こうしたたたかいによって、整理解雇の4要件があります。

整理解雇の4要件とは、下記のとおりです。

①経営上の合理的理由があること。

②解雇を回避する努力を尽くしたこと。

③合理的な人選の基準に基づいてなされること。

④労働者・労働組合と誠実に協議を行うこと。

この4要件を満たしていない場合、通常は整理解雇は認められません。

民事再生手続き開始を得た会社で、うまんちゅユニオンの組合員が整理解雇の4要件を満たしていないとして争った事件で、裁判所は主として労働組合との協議が尽くされていない点を判断し、解雇無効の仮処分を出した事例もあります。

この事件で、組合は3回にわたって開催された団体交渉の録音記録を反訳し、証拠として裁判所に提出しました。
この団体交渉の議事録が仮処分勝利の大きな力になりました。
このように、会社との団体交渉の内容をしっかり記録に残しておくことが大事です。