しつこい退職勧奨は不法行為となりますが、合意解約の体裁をとるために、退職勧奨と言う名の退職強要を行う企業が出てきます。

何度も何度も呼び出しが繰り返されると、気分が重くなり、会社の攻撃に負けてしまうことになりかねません。

そんな時に役立つのが、「辞めないための10カ条」です。
「辞めないための10カ条」は、1993年2月23日、全労連(全国労働組合総連合)が、中高年労働者、管理職労働者への首きりとたたかうための指針として発表した、「首切りを退ける『合言葉10章』」です。
ただし、当時の内容からは、表現が若干変わっています。

あなたやあなたの周りで、退職を迫られている方がおりましたら、辞めないための10カ条を役立ててください。

1、辞めません
  退職勧奨におよぶ一切の言動に対して、「辞めません」とはねつけましょう。

2、やっぱり「辞めません」
  辞められない理由を言うと逆に付け込まれます。「辞めません」が最強です。」

3、退職強要には、きっぱり抗議を
  「辞めません」と言っているのに、二度、三度呼び出すのは退職強要です。抗議しましょう。

4、人権じゅうりんには厳重に抗議を
   別室で机一つで事実上軟禁されるようなことを強制されたり、仕事を与えない、させないなどの仕打ちは人権蹂躙です。厳重に抗議し、やめさせましょう。
 その事実(誰が、いつ、何を、どのようにしたか)を必ずメモにしておきましょう。(録音できれば録音を)

5、出向、配転、転籍も断りましょう
  辞めないと、出向・配転がやられるというなら、それは「その時考えます」と答え、「辞めません」を貫きましょう。辞めないと損をすると言われたら、「働いていれば給料が入り、退職金も増えます。辞めたら退職金を食いつぶすだけです」と答えましょう。

6、会社よりも自分の生活が大変
  会社が大変だ、協力してくれと言われたら、「私の生活がもっと大変です。会は辞めた後の生活をみてくれますか。会社のためにも私にがんばらせてください」と言いましょう。

7、おだてにのらずに謙虚に拒否を
  この際、下請けにいって君の実力を大いに発揮してくれ、と言われたら「私はいいですよ。あなたがそうしなさい」といいましょう。

8、家族は首切りに反対です。
  「短気は損気」、頭にきたら負けです。家族と子どもを思い浮かべて踏みとどまりましょう。家族は首切りに反対です。

9、最後は黙秘でもがんばりましょう。
 会社の説得に言葉が詰まったら、「とにかく、私は辞めません」といい、あとは黙っていましょう。

10、労働組合や労働弁護士に相談しよう
  一人で悩まず、労働組合や労働弁護士に相談し、知恵と力を借りよう。


 そうは言っても、なかなか会社に対して、きっぱりと「辞めません」と言うのも勇気のいることです。そこで大事なのは10章「労働組合や弁護士に相談する」ことです。

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