育児休業中の生活を支える育児休業給付金

育児休業を取得する女性労働者は約9割となっています。
男性は2~3%というところで、収入の低下が大きな要因となっています。
子どもが1歳に達するまで育児休業を取得すると、約10ヶ月が育児休業期間となります。
その間の生活をどう支えるか?
労働者にとって大きな問題ですが、生活を支えるものとして、雇用保険会計から育児休業給付金を受けることができます。

受給要件となる被保険者期間に関して、「勤続2年以上ないと受けられない」と誤解している事業主がいたりします。
どうして、こんな誤解が生じるのでしょうか?

育児休業給付については、雇用保険法第61条ー4に定められています。


雇用保険法第61条ー4(育児休業給付金) 育児休業給付金は、被保険者が厚生労働省令で定めるところにより、その1歳に満たない子を養育するための休業をした場合において、当該休業を開始した日前2年間に、みなし被保険者期間が通算して12箇月以上であったときに、支給単位期間について支給する。
注)理解しやすいように、この条文中にあるカッコ書き部分は省略してありますが、条件によっては子が1年6箇月まで支給される、疾病等で仕事ができなかった場合は2年間が4年間に延長されることがカッコ書き部分には記載されています。


誤解のもととなっているのは、赤字で示した「当該休業を開始した日前2年間に、みなし被保険者期間が通算して12箇月以上であったとき」という部分にあると考えられます。
この部分を、「当該休業を開始した日前に2年間の被保険者期間があり、なおかつみなし被保険者期間が12箇月あること」と誤って理解し、「勤続2年ないと受けられない」となってしまったのでしょう。

育児休業給付金の受給資格は12箇月以上がポイント

みなし被保険者期間というのは、休業開始日の前日(=産後休暇の最終日)から遡って1箇月ごとに区切り、その区切った期間ごとに賃金支払基礎日数が11日以上ある月のことです。
その月が12箇月以上あれば、受給資格があることになります。
仮に、勤続期間が2年に満たない20箇月だったとしても、みなし被保険者期間が12箇月以上あれば良いということになります。

会社が勤続2年と誤解している場合は、そうでないことをしっかり説明し、手続きしてもらいましょう。
それでも勤続2年にこだわる場合は、管轄する職業安定所に指導してもらうか、地域の労働組合に相談しましょう
通話料無料のフリーダイヤル 0120-378-060 にダイヤルしていただければ、お近くの全労連加盟組合に相談することができます。