解雇予告期間の途中に、「履歴に解雇という傷を付けたくない」とか、「解雇日を迎える前に新しい職場が見つかったので、一日でも早く移りたい」などの理由で、労働者が自ら退職届を出す場合があります。

このような場合に、使用者が「退職を認めない」ということが肯定されるのでしょうか。

解雇予告期間中といえども、解雇日として予告された期日が到来するまで、通常と変わるところはありません。

労働者が使用者の指揮命令のもとに労働し、使用者は労働者に賃金を支払わなければならず、労働関係から生じる諸々の義務も当然履行されなければなりません。

労働者は、民法の規定によって、2週間前に予告すれば雇用契約を解除することができますから、労働者が退職の意思表示を行うことにより、解雇予告期間中においても退職することは可能です。

解雇日から2週間に充たない時点で退職を申し出た場合、使用者が退職を認めときは解雇が有効となると考えられますので、注意が必要です。