1121kenyosei.JPG米軍兵士による事件が相次いている件に関して、沖縄県労連は11月21日に仲井眞弘多県知事宛に「米兵による事件事故の根絶をめざし、全基地返還と米軍撤退を求める要請」を行いました。

これまで幾度となく米兵による犯罪が引き起こされ、県議会や市町村議会でも綱紀粛正、再発防止をその都度申し入れてきたにも関わらず、事件が後を絶たないのが現状です。

こうした現状を踏まえれば、米兵による事件事故を根絶するためには、沖縄から米軍基地を撤去させる以外になく、仲井眞知事がその先頭に立って奮闘するよう求めたものです。

県労連の要請に対して、対応した基地防災統括官は、事件は誠に如何で、県としては総領事、海兵隊、防衛局、外務省沖縄事務所に、実効性の伴う綱紀粛正策を徹底し、そういうことがないようにと抗議要請してきたことを説明。

再発防止策として、市町村の担当者なども含め、事務的な再発防止策を協議の場を持ちたいと国に働きかけている。

米軍がどういう内容で防止策をつくってきたのか見えないところがあり、その結果を踏まえて新たな防止策を策定していきたい。関係する機関とこれから調整を進めていきたいと述べました。

「全基地返還を」との要請事項に関しては、SAKOの合意や嘉手納基地以南の返還など、段階を踏んで撤去させて基地をなくしてていく。

「安保容認の立場なので、書かれているのを進めていくことが大事」と述べるにとどまりました。

 

以下に、要請書を掲載します。


2012年11月21日

沖縄県知事
仲井眞 弘多 様

                          沖縄県労働組合総連合
                           議長 中村 司

米兵による事件事故の根絶をめざし、全基地撤去と米軍撤退を求める要請

 去る18日、那覇市の民家に不法に侵入したトーマス・チャンケット米海兵隊中尉が那覇署に逮捕された。全く言語同断である。突然の侵入者に遭遇した女性の受けた恐怖は察するに余りある。報道によれば、トーマス容疑者は17日午後8時頃から翌日の午前6時頃まで、数軒の飲食店を飲み歩いていたという。

 米軍は、8月の那覇市での海兵隊伍長による強制わいせつ事件に続く、10月の中部地域における海軍兵2人による女性暴行事件を受けて、再発防止策として午後11から午前5時までの夜間外出を禁止する措置をとっているが、11月2日の空軍兵長による読谷村での中学生への暴行事件に続き、今回の事件が発生したことは、再発防止策が何ら実効性を持っていないことを証明している。

 ルース駐日大使は、米兵事件の再発防止策として夜間外出禁止を発表した10月19日の記者会見で「このような出来事が起きないよう、あらゆる努力をする」と述べている。それにも関わらず外出禁止令に違反しての相次ぐ事件である。米軍自体外出禁止令が遵守されているかどうか確認をしていないのであり、「あらゆる努力」をしているとは考えられず、もはや米軍に綱紀粛正や再発防止を期待することはできない。

 今回の事件を受けて、知事は「日米両政府、米軍に実効性ある対策を取ってもらうよう、あらためて強く申し入れたい」と述べている。しかし、1972年の施政権返還以来沖縄県議会の意見書・決議総数928本のうち米軍関連が377本と多数に上っていることに鑑みれば、従来の姿勢の延長線上では県民生活の安寧を守ることはできない。

 知事は、7月1日に行われた森本敏防衛大臣との会談の席上、オスプレイの強行配備に関して「もし、事件・事故が起こったら、これは即時閉鎖・撤去としか言いようがない」と述べている。そのオスプレイは日米合意に違反する飛行を繰り返し、墜落の恐怖と耐え難い騒音を県民の頭上にまき散らしている。

 米海兵隊の巡回配備の再開により、来年には沖縄に駐留する米海兵隊員が2万人となり、基地外居住も増加することから米兵の犯罪も増える可能性があると、米議会調査局は報告書を出している。沖縄県民はいっそう犯罪の危険にさらされるのである。

 このような基地あるがゆえの被害を抜本的に解決するには、沖縄から全ての米軍基地を撤去させ、米兵の全面撤退を求める以外になく、知事がその先頭に立って奮闘するよう要請するものである。

               以上