不当に経営者から損害賠償を請求されていませんか?

今回は、損害賠償されている事例を報告します。

北谷町で飲食店を経営していた企業が、店舗を閉鎖することになり、働いていた労働者Aさんに那覇の店舗で働くことを打診しましたが、Aさんは沖縄市に住んでおり那覇までは通勤に時間がかかることから、那覇の店舗では働けないと断り、退職することにしました。

Aさんが働いていた店は、いわゆるワン・オペで、実質的に店長の役割もさせられていました。

そうすると、経営者のAさんに対する態度が豹変し、店のお金をとって損害を与えた。損害額は500万以上になるが、300万円を賠償しろと迫ってきました。

さんざん「弁護士に相談すると告訴しろと言っている。そうするとお前は刑務所に入ることになる。」等々と脅かされた挙句の事なので、Aさんは「30万円でトラブルが回避できるのなら」と思ってサインしてしまったのですが、30万円が実は300万円の見誤りでした。

そんな事情ですので、会社は「お前は300万円払うとサインしたのだから、直ちに払え」という流れになっていきます。

この時点で県労連に相談があり、ユニオンに加入して会社(実際に出てくるのは代理人弁護士)と交渉になりました。

300万円盗ったというが、その根拠は何か?

労働者を泥棒扱いするのですから、どれだけ立派な証拠を揃えてくるかと思ったら、呆れるくらいのいい加減なものです。

原価率はX%が打倒なところだのに、Aさんが働いていた店はY%と高くなっている。
原価率がY%であれば、売上はもっとあったはずで、その差額を盗った。との理屈です。

Aさんが店に報告した売上額が100万円、X=25%(原材料費25万円) Y=30%(原材料費30万円)と仮定すると

Aさんの報告は売上100万円で原価率30%となっているが、原価率は25%でなければならないので、売上は120万円あったはずだ。よって、差額の20万円をAさんが横領したという理屈なのです。

ところが、会社の主張する原材料費にはAさんが仕入れた物以外に、会社が仕入れた物の金額も含まれており、会社が何をいくら分仕入れたのか、その区分もできないというのです。???

何をいくら仕入れたかも分からないのに金額だけがあるというのもおかしな話ですが、実際に仕入れたのか、仕入れはしたがその全部をAさんの店で使用したのか、他の店でも使用したのか、全く不知です。

ユニオンとしては、「こんな倍賞請求にサインしたからといって応じることはない」との立場で対応しています。

不当に損害賠償を請求されてお困りの方は、全労連のフリーダイヤル、通話料無料の0120-378-060にご連絡ください。

全国どこからダイヤルしても、お近くの全労連の加盟組合につながります。