観光協会が市に提出した要望書

前回に続いて「要望書」をアップします。前回は雇用期間の変遷について述べましたが、今回は自動精算機導入に関する艦娘協会が挙げている理由についてです。

自動精算機の導入とその理由について、観光協会は労働者に一切説明をしていません。この文書はうまんちゅユニオンが情報開示請求によって入手したものです。

「要望書」のなかで、駐車場に自動精算機を設置する理由について、観光協会は下記のとおり記載しています。

一言で言えば「コロナ感染拡大の防止のため」とされています。

昨今の新型コロナウイルス感染症の発生をうけて、国から当該ウイルスの感染拡大防止の観点から、接触機会の低減を進めるよう指示があるなかで、当該駐車場は駐車券や駐車料金の支払いを手渡しで行っており、感染対策上、著しく問題があると言わざるを得ない状況でございます。
当協会としましては、市民サービスや当該感染症拡大防止の観点から、24時間営業及び各種受渡しの自動化を行い、より安心安全な運営をしていきたいと考えております。

「国の指示」を引き合いに出していますが、国は、接触機会の低減のためなら労働者のクビを切って良いなどとは指示していません。むしろ、コロナ禍においても雇用維持を企業に呼びかけ、雇用調整助成金の特例を拡大したり、休業に対する支援金・給付金の制度を新たに設けるなどの支援策を講じてきました。観光協会のコロナ感染防止を口実にした労働者の雇い止め強行と、これを是とする宜野湾市の姿勢に道理はありません。

現在、全国・沖縄においても一時期と較べてコロナ感染は減少傾向となっています。国や自治体あげて観光産業等の支援のために、旅行や飲食などへの支援策を実施しているもとで、コロナを理由に、労働者の雇い止めを強行することについて、一片の道理さえ見出すことはできません。

これまで、観光協会はコロナ感染防止に積極的に取り組んできたのでしょうか。
そんなことはありません。

沖縄において、コロナ感染が爆発的に増えたのは2020年のゴールデンウイーク後でした。
その時期、現場の労働者はコロナ感染を防止するために、消毒用アルコールを備えること、マスクを配布することを観光協会に要望しましたが、観光協会はこれを拒否しています。そのため、今回雇い止めされるAさんが自費で消毒用アルコールを購入し、急場を凌ぐ状況も生まれました。
コロナ感染対策に消極的だった観光協会が、今更コロナを理由に自動精算機を導入して労働者の雇用と生活を奪うなど、到底納得できるものではありません。

コロナ禍において、自分も感染しない、駐車場利用者にも感染させないという点で、マスクと消毒用アルコールは必須アイテムと言えるものです。それを拒否した観光協会は労働者だけでなく駐車場利用者の安全安心に対する配慮が欠けていると言われても仕方ありません。

駐車場入り口のアスファルト道は、利用者が必ず通る場所ですが、時間が経つと表面がヌルヌルして滑り易くなります。利用者の転倒を防止するために、従業員が高圧洗浄機でヌルヌルを洗い流していたのですが、いつの間にか観光協会が高圧洗浄機を駐車場から引き上げたために、昨年は転倒によって利用者が怪我を負う事故も複数件起きています。

また、令和3年度は駐車場の草刈維持等として90万円をかけて、業者に依頼しています。ところが、この業者が除草剤を使用したことから、利用者から「足がかぶれた」との苦情も寄せられています。(浦添市の公園に除草剤が使用されて大問題になったことを知らなかったのでしょうか)

因みに、同支出は令和2年度43,680円、令和元年度70,813円となっています。これは今回雇い止めされるAさんを先頭に、従業員が草刈り作業に当たってきたからです。
米軍普天間航空基地軍用地の一部が開放されて駐車場として利用され、人員が配置されるようになった当初から汗を流してきたAさんを観光協会は情け容赦もなく10月31日で雇い止めするのです。

<続く>うまんちゅユニオンに対する観光協会と宜野湾市の対応 (前後記事は、最下部のリンクから辿れます)