今年の憲法講演会は、従来の講演会とは違って楽しく、また、そうだったのかと合点できる内容も話された。
講演会とは銘打っているものの、三人の女性ジャーナリスト、「標的の村」を政策した三上知恵さん、沖縄タイムス北部支社編集部長の儀間多美子さん、琉球新報社会部記者の与那嶺路代さんによる鼎談である。
それも堅苦しいものではなく、女性のゆんたくを聞いているようで、会場からのツッコミもありたりする。
報道に現れない裏話もされるのではないか?
と期待して出かけた。内容はその期待を裏切らないものだった。

三上さん 『標的の村』には希望を込めてつくったわけではないが、映画を観てくれた人から、『希望が湧いた』と言われ、逆に勇気をもらっている。200箇所以上で自主的な上映がされているが、それは原発や環境問題だったり、何らかの問題で頑張っている人たちが、一緒に『標的の村』を観ようということで上映している。様々の運動が一緒にやれるきっかけとなっている。

与那嶺さん 日米交渉をやっている人たちは、沖縄の現実を知らない人たちだ。その中にケビン・メアがいる。元沖縄総領事だから、メアが「沖縄はこうだよ」といえば、他の人たちのなかに「そうか」という雰囲気になっていく。

儀間さん 最近オーストラリアのマコーマックさんが、1日に稲嶺名護市長を訪ねたところを取材した。
マコーマックさんが「他の市町村長から激励はあるか?」と尋ねるのに、稲嶺進市長は「最近は厳しくなっている」と返答していた。また、マコーマックさんの「外国からも応援している」との言葉に、市の職員は目をウルウルさせていた。
後で職員に話を聞くと「死ね」とかいう類の嫌がらせ電話が多くかかっているということだった。

鼎談では多くのことが語られたが、三上さん、儀間さん、与那嶺さんの一致して意見を少し紹介する。
・沖縄の新聞(マスコミ)は偏向していると攻撃されたりするが、報道の役割は権力を監視し、沖縄県民の目線で、県民の幸せのためにはどうあらねばならないのか、との姿勢で報道しているのであって、例えば、米軍機の爆音がうるさいから静かにしてくれという願いを報道することが、思想的なのか? 偏っていることなのか?
・憲法を若い世代にどうやって伝えていくのかについて、マスコミの果たす役割は重要であり、工夫を凝らしていくことが求められる。

メモしながら聞いていたわけではないので、発言内容は必ずしも三人が話したとおりの表現にはなっているとは言えない。
あくまでも、管理人が記憶の糸を引っ張りながら記載していることをお断りしておきます。

会場で、写真家の森住卓さんの写真集「沖縄・高江やんばるで生きる」を購入した。4月20日に発行されたばかりの写真集。
高江の自然、人と生活、その高江に国が建設を強行しているオスプレイパッド建設とのたたかい、また、高江だけでなく辺野古の写真もおさめられている。三上千恵さんが「忘れられた山村・高江」と題する解説文を寄せている。
一人でも多くのみなさんが、写真集を手に取っていただき、高江や辺野古の人々に心を寄せてもらうことを願う。

沖縄・高江 やんばるで生きる

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