名づけて「労働組合入門 わくわく講座」である。
そのテキストをパラパラとめくっていて、ある一節に目が止まった。
マルクスからの見事なパクリが入っているのである。
わくわく講座テキストの該当部分は次のようになっている。
4 仲間増やしが大事!ーー組織の拡大・強化
(1)「数は力!」
ーー組織の拡大は、最優先・最重点の課題!
労働者の持つ唯一の力は、その「数の力」です。しかし、「数の力」は労働者の不団結によってこわされます。労働者たちの不団結は、労働者間の競争によって生み出され、持続されます。労働者の「数の力」は、団結によって結合し、知識によって導かれる場合にのみ、力を発揮します。(以下、略)
上記のテキスト文のうち、「労働者の持つ唯一の力は、その「数の力」です。しかし、「数の力」は労働者の不団結によってこわされます。労働者たちの不団結は、労働者間の競争によって生み出され、持続されます。」と、下記の文を比べてみよう。
労働者の持つ唯一の社会的な力はその人数である。しかし、人数の力は不団結によってくじかれる。労働者の不団結は、彼ら自身の間の避けられない競争によって生み出され、長く維持される。(マルクスの「労働組合ーその過去。現在。未来ー」の過去についての記述。)
また、「労働者の「数の力」は、団結によって結合し、知識によって導かれる場合にのみ、力を発揮します。」の部分と照応するのは、次の一文である。
成功の一つの要素を労働者は持ち合わせている。ーー人数である。だが人数は団結によって結合され、知識によって導かれる場合にだけ、ものをいう。(国際労働者協会創立宣言の一節)
このように、全労連の初級教育制度「わくわく講座」テキストには、さりげなくマルクスが労働組合について述べた文が挿入されている。
パラパラとめくっただけなので、他にも同様の部分があるかも知れないが、このようなパクリは大歓迎である。
学習サポーターがその関係を伝えることによって、古典に親しみを感じる受講生が増えるかもしれない。
労働組合入門と銘打つだけあって、わくわく講座テキストには、マンガも数ページ挿入されているので、文字とイラスト、写真だけのテキストと比べて、親しみやすい内容になっている。
ぜひ、多くの全労連の仲間が受講するよう期待する。
もちろん私にもその責任は覆いかぶさってくるのであるが・・
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