10月2日付沖縄タイムス紙と同月3日付琉球新報紙は、沖縄県生コンクリート協同組合が、10月販売分から生コンの販売価格を10・5%値上げすることを報道しています。
この引き上げによって1立方メートル当たりの価格は1350円の値上げとなります。

今回の値上げについて、生コン組合は「ダンプ運転手の賃上げと、今回の値上げは関係ない。運転手の賃上げに値上げをどう反映させるかは各工場と運転手が協議する話だ。」(タイムス)

また、「製造設備の老朽化もあり、これまで修繕更新・建て替えを後回しにしてきたが、需要増も踏まえて更新する経費増もある。」(新報)などとコメントしています。

これに対して、ダンプ労働者を組織する沖縄ダンプ協議会の東江勇議長は「生コン工場は価格上昇がない限り、賃金は上げられないと言ってきた。ようやくその環境が整った。」と述べています。

沖縄ダンプ協議会は、危険なダンプの過積載が根絶されずに横行するのは、ダンプ労働者の運搬単価が低く抑えられているところに根本的な原因があると主張し、ダンプの過積載根絶と運搬単価の引き上げを一体の課題として運動を積み重ねてきました。

実際、ある会社では警察からの「過積みしないように」との警告を受けて、定量積みを実施していますが、これまで10トンダンプに17トン積んで運搬賃は1万7000円から1万円にダウンしています。
名護の鉱山から那覇の工場に運ぶには、どんなにがんばっても1日せいぜい2回ですから、1日1万4000円収入が減少しています。これでは生活できず、ダンプのメンテナンスもできません。

積む量が減っても単価(1トン当たり1000円)が据え置かれては、ダンプ労働者は廃業するしかありません。
仕事を続けようとすれば、過積みで走り続けるしかありません。
ここに、警察がどんなに取り締まりを強化しても、過積みが根絶されない構造的問題があります。

沖縄ダンプ協議会は、「過積みをなくして、ダンプ労働者が安心して仕事をするためには運搬単価の引き上げが不可欠」として、ストライキ、ダンプデモ、決起集会、行政や警察への要請、議会への陳情、生コンの買い手である建設業者で構成する建設業協会、個別企業への要請などを展開してきました。
県労連は、このようなダンプ労働者を支援し、要求を実現するために生コン組合、沖縄県、建設業協会などへの要請、広く県民に問題を知ってもらうための街頭宣伝行動などを行ってきました。

こうしたたたかいのなかで、買い手である建設業協会は、去る2月に生コン組合やセメント会社に対して「ダンプの過積載問題も県民から注目されているところであり、・・・建設産業に従事する人々の生活の安定・向上を実現し、建設産業界の発展に貢献したいと考えておりますので、是非とも積極的かつ強力な取組み」を要請しています。

今回の生コン価格の引き上げは、ダンプ労働者の運動のなかで実現したものです。
値上げによる果実が設備投資だけに振り向けられ、ダンプ労働者の運搬単価の改善につながらないとすれば、ダンプの過積み問題の解決に背を向けるものとなるでしょう。

ダンプ労働者の賃金引き上げが「各工場と運転手が協議する話」だとしても、生コン組合には「建設産業に従事する人々の生活の安定・向上を実現」する立場を共有し、各工場に対してダンプ労働者の運搬単価引き上げを積極的に指導をすべきと考えます。