ユニオン組合員が、年休申請を認めず賃金をカットしたのは違法として、浦添市内のT社を相手に、カットした賃金2万2824円の支払を求めている訴訟は、本日証人尋問を終了し、8月18日(火)午後1時10分から、那覇地裁で判決が言い渡されることになりました。

「会長がダメだから拒否」は正当な時季変更権の行使に当たるか?

Aさんは、浦添市内の食品加工・販売業で働いています。

Aさんは、2013年11月末に、12月7日、14日、21日、28日の各土曜日に半日、30日と31日に全日の年休申請を、直属の上司に対して行いました。

それに対して、12月5日に工場長が「会長がダメだから拒否する」と、年休申請用紙を返却してきました。

会長がダメだから拒否とのひと言で年休を認めない会社の対応に納得できないAさんは、返却された年休申請用紙を、今度は総務課長に提出しました。

その後、会社から何の意思表示がないことから、年休申請は認められたものと理解したAさんは、7日と14日に年休を行使したところ、12月16日に、総務課長から「勝手に休んだ」などと言われました。

その後、諸々の動きはあるのですが、細々と書くことも必要ないでしょうから略しますが、会社が年休と認めずに賃金をカットした額が2万2824円となるため、年休を認めなかったのは違法であり、賃金の未払いに当たるとして争っているのが、本件訴訟の概要です。

確かに、12月はクリスマスや年末年始を控えて、通常の月より忙しいという事情はありますが、だからといって年休権を保障するための努力を一切せず、「会長がダメだから拒否する」ということが、正当な時季変更権の行使と言えるのか?

これが、この年休権訴訟のポイントです。

請求金額より多くの費用をかけてたたかう意義

ユニオンは、Aさんの2万円余の賃金を請求するために、それの数倍ものお金をかけて本裁判をたたかっています。

会社は「冠婚葬祭については年休を認めている」とは言っていますが、それ以外の理由については、「自粛するのが当たり前、こんな時に年休を申請する方がおかしい」と首相しています。

通常の月より忙しい月というだけで、こんな乱暴な年休拒否が許されるとすれば、労働者の年休権が形骸化してしまいます。

一人Aさんの賃金の問題ではなく、労働者の年休権を守るたたかいであり、何としても裁判しなければならないたたかいとなっています。