休業補償3日労災保険(労働者災害補償保険)は、労働者が業務上で怪我したり病気になって休業したり、病院にかかったりした時に「迅速かつ公正な保護」をするための制度です。

また、通勤時の事故にも適用されることになっています。

給付内容は、休業補償給付、療養補償給付、障害補償給付、葬祭料、傷病補償年金、介護補償給付などがありますが、この記事ではそのうちの休業補償給付に関連して書いてみます。

労働者が業務上の理由で、あるいは通勤途上の事故により、休業した場合は休業4日目から休業補償給付が、労災保険から支給われます。休業1日目から3日目までは、労災保険からは支給されないのです。

ある職場で、仕事中にお客の車から荷物を降ろそうとした時に、車のドアに指を挟んでしまい、病院で4針縫う怪我をして3日間休んだ労働者がいました。

その労働者は、事業主に「休んだ3日間は年休を使わせてほしい」とお願いしたところ、事業主は「そんなことで年休はあげられない」と拒否して、3日分の賃金を支給しませんでした。

休業の理由となった怪我は、れっきとした労災事故ですが、この休業した日は年休を行使するべきものでしょうか。

労働基準法第75条(療養補償)は「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。」と定めています。

そして、第76条(休業補償)は「労働者が前条の規定による療養にため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。」となっています。

この条文からすると、休業4日目からは労災保険(労災保険の掛金は全額事業主負担)から給付されますが、労災保険から給付のない3日目までは、事業主が負担しなければならないことになります。

従って、「年休を使わせてほしい」とお願いするのではなく、労災事故なのだから会社が休業補償を行え」と要求すべきです。

なお、賃金を受けない場合に、平均賃金の百分の六十の休業補償となるのですから、「休業期間に対して賃金を支払え」との要求も立派に成り立ちますから、通常の賃金を払ってもらうよう、職場の仲間と力を合わせてがんばることが大事です。

職場の仲間と力を合わせてがんばるためには、労働組合をつくって交渉することが力になります。
でも、「すぐにはつくれそうもないし、相談できる人もいない」という場合には、全労連の労働相談にダイヤルしましょう。

全労連の労働相談は、フリーダイヤル 通話料無料の 0120-378-060 にダイヤルすれば、全国どこから電話しても、お近くの全労連の労働組合につながります。お気軽にご連絡ください。