上里中央会専務理事に要請書を手渡す又吉副議長

沖縄県労連は、10月24日と25日の両日、県内の主要経営者団体に対して、下記の内容で要請行動を行いました。

①沖縄県公契約条例を理念型ではなく、規制型とするよう県に働きかけること、

②6月23日の沖縄慰霊の日を休日とするよう、会員企業に対して働きかけること。

沖縄県は公契約条例を今年度中に制定するとして、条例骨子案を発表しています。

その内容は、賃金額を決めない「理念型」となっています。

沖縄県労連としては、以前から沖縄県としても公契約条例を制定するよう県に対して何度も要請してきました。

2014年の知事選挙で翁長雄志知事が誕生しました。

翁長知事と言えば「あらゆる権限を行使して辺野古に基地は造らさない」闘う知事として名を馳せていますが、選挙公約はもちろん基地問題一つというわけではなく、「公契約条例の制定」も公約の一つです。

翁長県政のもとで、公契約条例制定への道が開けてきたのですが、心配していたとおり出てきたのは「理念型」です。

沖縄県労連としては、折角制定する公契約条例が実効力を持つためには、賃金の下限額を条例で決める「規制型」にすべきと考えています。

そのためには、経営者の理解が必要となるため要請を行ったものです。

この要請事項に関しては、県が公契約条例を制定することについては概ね理解する立場を示していますが、「まずは理念型での出発」というのが、経済界の立場であるようです。

 

沖縄慰霊の日を休日にという要請に対しては、「個人的には賛成」が多かったのですが、企業で導入するのは厳しいとの認識でした。

沖縄県民は、去る沖縄戦で筆舌に尽くしがたい悲惨な体験をしてきました。

県民の4人1人が犠牲となりました。

戦争の悲惨を味わった方は「二度と戦争を起こしていけない。戦争ほど悲惨なものはない」と訴え、“命どぅ宝”を伝えてきました。

しかし、戦後72年ともなれば直接の戦争体験者は少なくなり、沖縄戦の風化が心配されています。

沖縄県労連は、戦争の記憶を次代に継承していくためには、6月23日の慰霊の日を休日とし、「恒久の平和を希求するとともに、戦没者の霊を慰める」ような内実を伴う日とすることが必要だと考えます。

現在では官公庁や学校は休日となっていますが、民間企業での休日はほとんど見当たりません。

そのため、「民間企業も休日に」との要求を掲げることを確認してきました。

それは同時に、「働き方改革」の一環として就労日数を1日減らすことにもなります。

道のりは遠いかも知れませんので、数年がかりの取り組みとして継続していくほかないようです。

<参照> 

沖縄県慰霊の日を定める条例

 第1条 我が県が、第二次世界大戦において多くの尊い生命、財産及び文化的遺産を失つた冷厳な歴史的事実にかんがみ、これを厳粛に受けとめ、戦争による惨禍が再び起こることのないよう、人類普遍の願いである恒久の平和を希求するとともに戦没者の霊を慰めるため、慰霊の日を定める。
     第2条 慰霊の日は、6月23日とする。