沖縄県労連が事務局を担っている反貧困・反失業沖縄県ネットワークは、6月3日と9日の両日、県内の19市町村教育委員会を訪問し、就学援助制度の周知・拡充を求める要請を行い、議会に対しては陳情を行った。

  那覇市への要請の模様を伝える琉球新報ネット版(紙面掲載は6日付です)

その後、16日に北谷町議会、17日には豊見城市議会で、陳情の説明を行う機会が与えられた。

議会説明のなかで、陳情事項6「保護者からの申請がなくても学校長の裁量で申請できることを、学校へ周知徹底していただくこと。」に関して、その根拠は何かとの質問があった。

根拠となる文書については、私もネットで検索してみたことがあるが、関連するようなキーワードを打ち込んでもヒットさせることができなかった。

こうした経緯もあって、同様の取り組みを行なっている、あるいは行おうとしている方のご参考までに掲載することとする。

文書は東京都教育長が文部省に対して照会した件について、初中局長が回答したものである。


昭四一,八,一六委初七の一三 東京都教育委員会教育
長あて 初中局長回答「学校教育法第二五条,第四〇条
にもとづく就学援助の取扱について」

 照 会

 このことについて,左記[下紀]のような取扱いをしても差支えないか貴職のご見解を教示願いたい。


 就学援助の対象認定に関する市町村教育委員会の指導にあたり,本教育委員会は申請主義を原則としている。ただし,申出がないものでも補助を必要と認められる児童,生徒の保護者に対しては,援助を受けるよう積極的に働きかけを行わせている。

 

 回 答

 昭和四一年七月二七日付け41教学学収第二五○号にて照会のあった標記の件について,左記[下記]のとおり回答します。

 学校教育法(昭和二二年法律第二六号)第二五条(第四〇条で準用する場合を含む。)に規定する経済的な理由により就学困難な児童生徒に対する市町村の就学援助は,教育の機会均等の精神に基づきすべての児童生徒が義務教育を受けることができるよう配慮し,実施すべきものである。したがって,市町村は保護者の申請の有無にかかわらず,真に就学援助を必要とする者については援助を行なう必要がある。この場合
において,保護者の申請ということを適正な認定のための方法,手段として考慮することはさしつかえない。

 なお,申請の有無のみによって就学援助の対象となる者の認定を行なうことは法の趣旨に適合しないこととなるので念のため申し添える。


上記の文書には、どこにも「学校長の裁量でできる」とは書かれていません。

就学援助を受けるには就学援助申請書(自治体によっては「申請書兼世帯票」となっている場合もあります。)を提出します。

その申請書には、学校長の意見を記載する欄(自治体によっては「学校長による確認」欄となっている場合もあります。)が設けられています。

学校長は、学校長としての意見を記して教育委員会に提出し、教育委員会は認定の可否を判断します。

保護者からの申請がない場合であっても、学校長が就学援助の適用が必要と判断した時は、学校長の判断で申請を作成し、教育委員会に提出できることを示しています。

それ故、反貧困ネットは「学校長の裁量でできる」と表現しています。