最近、相談に来られた方の話を聞いて、耳を疑ってしまった。

その方の話では、認可保育園で働いていたが、園長からのいじめが酷く、自分の夫に責任があることまで責任を追及され、園内の掃除もしたのにチリが落ちていたとまた掃除させられる。(そのチリは園長自身がわざと落としたかも知れない。)等々。

そのため、精神的にも不安定となり、退職を余儀なくされた。

離職票には自己都合退職にチェックが入っていたので、自分では「上司のいじめ等による退職」にチェックして、退職理由に異議ありとして職案には提出した。

職安の求めに応じて、それなりの資料も提出した。

つまり、特定受給資格者として認定するよう手続きしたということですね。

ところが、職安は特定受給資格者としてみとめず、「正当な理由のある自己都合退職」とした。

本人には、園長のパワハラ、いじめ、嫌がらせ意外には、退職すべき理由はない。

耳を疑ったのは、その次の言葉。

職安の職員は、特定受給資格者として認定しない理由として、「相手がパワハラを認めないから」と述べたというのだ。

「いろいろ調べた結果、園長の言動は、パワハラ、いじめ、嫌がらせに該当しない」というのであればまだしも、相手が認めないから?

特定受給資格者を認定する要件に、いつから「相手がパワハラを認めること」が加わったの?

普通、加害者が「訴えのとおり、私はパワハラをしました。いじめておりました」と認めることはまずない。

そんな理由で、特定受給資格者として認められないのなら、上司や同僚のいじめ等で認定される人は一人もいないことになってしまう恐れがある。

パワハラ事案の裁判で、「加害者はパワハラの事実を認めないので、被害者の訴えは認められない」などと判決文を書こうものなら、世の批判にさらされるのは避けられない。

このような姿勢は改めさせなければ、労働者は救われない。

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