沖縄県労連は、去る11月20日、那覇市の沖縄産業支援センターで、永山利和元日本大学教授を講師に招き、「公契約条例を考える講演会」を開催しました。

組合員の参加者も含め、県議会、市町村議会の議員や自治体の担当職員など、約80人の皆さんに会場・オンラインで参加していただきました。

コロナが少し落ち着いてきた時とはいえ、感染対策と注意を怠るわけにはいかない時期の開催でしたが、多くの方にご来場いただき、また、オンラインでのご参加もあり、大変ありがとうございました。この場を借りてご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

4つの誤解を挙げて解明

永山先生は、講演の冒頭、「この報告の狙いは、(規制型)公契約条例に対するよくある誤解を解くこと」として、4点について報告しました。

第一の誤解は、公契約条例の制定で、行政(地方自治体)がその権力を使って、労働組合に代わって賃金下限額を決めてくれる。または決める手伝いをしてくれる、との誤解です。

第二の誤解は、公契約条例で行政が契約行為の相手方になる“企業の賃金”を、行政の裁量(権力行使)で決めることができる、との誤解です。

第三の誤解は、公契約条例制定は地方自治法、財政法、予算・決算令等の法規違反になる部分がある、との誤解です。

第四の誤解は、最低賃金法に規定される最低賃金額を超える賃金支払を条例等で法定化することは、最賃法に違反する、という誤解です。

沖縄県も誤解に陥っている

永山先生の講演を聞いて、理念型の公契約条例を制定している沖縄県が、第四の誤解に陥っていることがよく解ります。

これまで、沖縄県商工労働部長は、県議会で「賃金の下限額を決めることは、最賃法の趣旨に反する」と繰り返し答弁しているからです。

この誤解について、永山先生は次のように誤解を解いています。

「公契約条例の下限額規定は、最賃額を上回るのが一般的である。最賃法では、規定違反は最賃額を下回る賃金支払いであって、最賃額を上回る公契約条例の最低賃金額は、最賃額を上回るから最賃法違反にはならない。公契約条例における最賃額を上回る金額規定は、最賃法に何ら違反しない。」と述べました。

そして、自治体と事業者との契約は民事契約であるから、下限額設定が不当であると事業者が考えるなら、入札に参加しないか、又は契約しなければ良く、契約回避の機会は事業者に与えられている。」と説明しています。

4つの誤解をといた後のお話

永山先生は、これら4つの誤解を解いた上で、

○ 公契約や公契約条例とは何か。なぜ生まれ、制定の背後にどのような意義があるか

○ 公契約条例はどこまで条例が制定され、どのような運用がされ、どんな効果を生んだのか

等々についても詳しく話されました。

沖縄県労連は、永山先生の講演を生かし、賃金下限額を定めた規制型公契約条例の制定を県下自治体に広げていく運動を強めることにしています。

会場では下記の書籍の販売を行いました。

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