賃金は「決まった日に支給する」のは、労働基準法第24条に定められています。
一定期日払いの原則です。
会社によって、「毎月●●日に支払う」と決めたり、「月末に支払う」となっていたりします。
このような決め方は良いのですが、「毎月第2水曜日に払う」などと決めると、支払日が一定にはなりません。
このような決め方をすると、暦のめぐり合わせにより、最大6日のズレが出てきます。
ただし週に決まった曜日しか働かないパートタイマーに対しては、第2水曜日などの決め方も許されるとされています。
それでは、賃金の支払日が休日に当たったときは、繰り上げになるのでしょうか?
それとも、繰り下げになるのでしょうか?
労働基準法には、給料日が休日に当たった時に、どうなるのかということは明示されていません。
大体の企業では、繰り上げて支払う事が一般的ですから、繰り上げて支払うべきだと思われている方が殆んどではないでしょうか?
結論は、会社が就業規則などで決めれば、繰り上げでも繰り下げでも構わない、ということです。
ただし、「月末に支払う。」と決めている会社では、月末が休日に当たると繰り下げ支給では翌月にしか支払われないことになってしまいます。
そうなると、「毎月1回以上」支払うとという原則に抵触することになりますかねません。
では、就業規則に何も記載されていない場合には、どうなるのでしょうか?
そんな場合は、民法第142条に基づいて支払えば良いとなっています。
民法第142条では「期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。」となっています。
そうすると、仮に、「毎月1日に支払う」と決めた場合、5月1日が土曜日に当たると、給料が支払われるのは5日になってしまい、5日の開きがでてきます。
できれば就業規則に「ただし、賃金の支給日が休日にあたる場合には、繰り上げて支給する。」との但し書きを入れて、はっきりさせて方が良いでしょう。
【疑問】
強行法規である労働基準法に一定期日払いが定められ、就業規則で「〇〇日に支払う」と決めてあって、休日に当たったときに繰り下げて支払う旨の定めがない場合、なぜ民法によらなければならないのか疑問です。「〇〇日に支払う」と決めてあれば、〇〇日までに支払わなければ、一定期日払いに抵触すると解釈すべきと思います。