二人の労働者が、在職していた会社に対して、残業代を請求していた件が、年末ギリギリに解決しました。

この会社は、一切残業代を支払っておらず、タイムカードも置いてない会社で、労働者もメモなど記録を残しておりません。

残業代を請求するには、タイムカードと賃金明細があれば、計算し易いのですが、タイムカードがなかったり(あっても会社からコピーがもらえなかったり)、賃金明細をちゃんと残していない場合の方が多いといってもよいでしょう。

このような場合には、概算で請求するしかありません。

この会社の場合は、卸売業のため曜日によって残業時間が多少違っているようで、大体において、月曜日は3時間くらい、火曜日は2時間くらい、水曜日は・・・などと、労働者の申し立てに基づいて労働時間を集計していきます。

その際、残業代等計算シートを使うのは言うまでもありません。

そうして計算した概算の金額を請求します。

請求は、団体交渉申入書で行いますので、私の場合、必ず下記の趣旨の文言を記載するようにしています。

請求金額は、概算による金額です。

会社にタイムカードなど労働時間を把握できる記録があり、その記録に基づいてより正確な金額が計算できる場合には、請求金額を訂正するにやぶさかではありません。

労働者の労働時間を把握し、3年間は記録を保存しておく義務が使用者にあるのですから、タイムカードも置いてないような会社は、そもそものところから義務を果たしていないことになります。

したがって、概算で請求しても、請求金額についてあまり文句はでません。

請求する側としては、金額が正確でなくても、どのように計算するばその金額になるのかという考え方を、きちんと説明できれば、あとは交渉の中で折り合えるところを見つけていくことになります。

資料がないとあきらめないで、まずは請求してみましょう。