「俺はお前が好きだ」
「私のどこが好き?」
「どこといって特にないけど、他に好きな人がいないから」
なんてバカなこと言ってると、肘鉄を食らうのがオチだろう。
けれども、これと同じようなことが、内閣支持率調査ではまかり通っているのが不思議である。
国会終盤あたりで、マスコミ各社は世論調査を実施して発表した。
一様に、安倍政権の支持率が大幅に下落し、反対に不支持が上昇。
なかには、支持と不支持が逆転したと報じている報道機関もある。
さて、このような内閣支持率の調査において、これまで違和感を持ち続けてきたことがある。
それは支持する理由の回答として、「他に適当な人がいない」が準備されていることだ。
手元の新聞に、共同通信が行った調査結果が掲載されている。
内閣支持率急落44%の見出しが付けられている。
内容はというと、支持は44.9%、不支持43.1%である。
不支持の理由では、「首相が信頼できない」が最も多く、支持する理由では「ほかに適当な人がいない」が46.1%と最も多い。
正確を期すために、「どのような設問」に対して「どのような回答」を選択肢として準備しているか、ネットで検索してみたが、うまく見つけることができなかった。
支持する理由に「ほかに適当な人がいない」という選択肢が準備され、不支持の理由では「ほかに適当な人がいる」との選択肢は準備されていない(と思われる)。
そもそも、安倍内閣を支持するか支持しないかは、対象となる安倍内閣を評価するものであって、他人を引き合いにだして「他に適当な人がいない、だから、安倍内閣を支持する」など、こじつけも良いところであって、誘導尋問に等しいやり方ではないのか?
不支持の回答に「他に適当な人がいる」を準備した場合には、また違った数字がでるかもしれないが、ここはやはり、評価対象となる内閣に限った回答を準備すべきだろう。
実社会では肘鉄をくらうようなやり方が、長年も続いてきたのは不思議である。
そろそれ、調査のあり方を見直しても良いと思うのだが、この記事が世間にどれだけ目にとまり、どれだけの賛同を得るかは心もとない限りである。
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