パワハラに関する相談が増えてきています。

パワハラにあってしまうと,心身に不調をきたしてしまい,心の病を患ってしまい,最悪の場合は自殺にいたることもあります。

そこまでいかなくても,退職に追い込まれることもあるでしょう。

ところが,相談されて来られる方のなかには,まったくと言ってよいほど,証拠を残していない方がいます。

1年以上に渡ってパワハラを受けてきたと訴えるのですが,

「メモなり,録音なり,パワハラを受けたという証拠はありますか?」と尋ねると,

「メモしていません。録音もしておりません。でも,同じ部所場の○○さんが知っています。」

と返ってきました。

同僚の証言だけに頼るのは危険

こんなことは言いたくないのですが,いざという時に,職場の同僚が証言してくれるとは限りません。

むしろ,ほとんど期待できないと思った方が良いのです。

最初は「あなたの言うことは理解できる。証言しても良い」と言ってくれた人が,証言することを撤回するケースもザラにあります。

退職した元同僚が「退職しているので,証言してあげる」と言っていたのに,これまた「ごめん,証言できない」と断ってきたケースもあります。

すべての労働者が正義感を発揮してくれることはありません。

人間,誰しも自分がかわいい。

被害を受けた同僚のために,真実を証言すると,加害者から何をされるかわからない

との恐怖もあるのです。

パワハラ対応窓口が設けられている会社でも,証言者の名前が加害者に筒抜けになっていることもあるのです。

証言する前に,加害者からの圧力がかからないとも限りません。

これって,パワハラじゃない?

と感じたときから,証拠を残すよう心がけなければなりません。

加害者は,滅多に加害の事実を認めようとしません。

刑事ドラマではありませんが,「証拠があるなら出してみろ」と開き直ってきたどうします?

一番良いのは,録音すること

今は,小さなICレコーダーなど,いくらでもありますので,ポケットのなかで手探りでも録音ボタンが押しやすいものを選ぶのが良いでしょう。

まさか,パワハラを受けている最中に,レコーダーを取り出して録音するわけにはいきませんからね。

ただし,安いからといって,パソコンとつなぐことができない(現在は,USBで繋がなくてもbluetooth搭載の機種もありますが)レコーダーはダメです。

仮に,裁判になった時には,文字にする必要がありますので,パソコンに繋げないと往生するくらい苦労しなければいけなくなります。

メモは必ず残すようにしよう

必ずメモを残すことが大事です。

録音ができない時はもちろんですが,録音できた時でもメモを残すことが大事です。

録音してあるから,と安心してメモを残しておかないと,録音数が一つや2つならまだしも,かなりの数になってくると,こんなこと言われたのはいつだったかなあ? となってしまいます。

メモの内容は,パワハラについてのメモの他に,体調の変化についても記録しておくことが大事です。

夜なかなか寝付けない

食欲が湧かない

朝,出勤する気が萎えてくる

仕事でミスが多くなってきた

仕事の能率が落ちてきた 等々

パワハラと体調不良の因果関係を示す大事な資料となってきます。

自覚症状があった時は,医師の診察を受けることにも留意しましょう。

あれやこれや,書き連ねてきましたが,要は“自分の身は自分で守る”ということです。

が,一人で加害者・会社と立ち向かうのは大変です。

我慢し過ぎずにしかるべき所に相談しましょう。

その然るべき所の一つが労働組合です。

パワハラで悩んでいたら,全労連のフリーダイヤル 0120-378-060 をダイヤルしましょう。

あなたのお住まいの全労連加盟組合につながります。