安保破棄中央実行委員会が発行する機関紙「安保破棄」の2019年10月1日号によれば、2018年7月27日の全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」以降、日米地位協定の見直しを求める意見書を採択した地方議会が9月24日現在で、7道県157市町村に達したとのことです。
日米地位協定を改定しないと、日本は米国の従属国から抜け出せません。
日米安保条約を支持する人も、支持しない人も、いずれの立場をとるにしても、地位協定を改定する一点では一致できることを示しています。
地位協定改定の取り組みが大きく広がることを期待して、全国知事会の提言を掲載します。
なお、安保破棄実行委員会は日米地位協定の改定を求める署名運動を全国で展開しています。
署名用紙は安保破棄実行委員会のサイトからダウンロードできます。⇒ ダウンロード先はこちら
米軍基地負担に関する提言
2018年7月27日 全国知事会
全国知事会においては、沖縄県をはじめとする在日米軍基地に係る基地負担の状況を、基地等の所在の有無にかかわらず広く理解し、都道府県の共通理解を深めることを目的として、平成28年2月に「米軍基地負担に関する研究会」を設置し、これまで6回にわたり開催してきました。
研究会では、日米安全保障体制と日本を取り巻く課題、米軍基地負担の現状と負担軽減及び日米地位協定をテーマに、資料に基づき意見交換を行うとともに、有識者からのヒアリングを行うなど、共通理解を深めてきました。
その結果、
① 日米安全保障体制は、国民の生命・財産や領土・領海などを守るために重要であるが、米軍基地の存在が、航空機騒音、米軍人等による事件・事故、環境問題等により、基地周辺住民の安全安心を脅かし、基地所在自治体に過大な負担を強いている側面がある。
② 基地周辺以外においても艦載機やヘリコプターによる飛行訓練等が実施されており、騒音被害や事故に対する住民の不安もあり、訓練ルートや訓練が行われる時期・内容などについて、関係の自治体への事前説明・通告が求められている。
③ 全国的に米軍基地の整理・縮小・返還が進んでいるものの、沖縄県における米軍専用施設の基地面積割合は全国の7割を占め、依然として極めて高い。
④ 日米地位協定は、締結以来一度も改訂されておらず、補足協定等により運用改善が図られているものの、国内法の適用や自治体の基地立入権がないなど、わが国にとつて、依然として十分とは言えない現況である。
⑤ 沖縄県の例では、県経済に占める基地関連収入は復帰時に比べ大幅に低下し、返還後の跡地利用に伴う経済効果は基地経済を大きく上回るものとなっており、経済効果の面からも、さらなる基地の返還等が求められている。
といった、現状や改善すべき課題を確認することができました。
米軍基地は、防衛に関する事項であることは十分認識しつつも、各自治体住民の生活に直結する重要な課題であることから、何よりも国民の理解が必要であり、国におかれては、国民の生命・財産や領土・領海等を守る立場からも、以下の事項について、一層積極的に取り組まれることを提言します。
記
1 米軍機による低空飛行訓練等については、国の責任で騒音測定器を増やすなど必要な実態調査を行うとともに、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を必ず行い、関係自治体や地域住民の不安を払拭した上で実施されるよう、十分な配盧を行うこと
2 日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令など国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記すること
3 米軍人等による事件・事故に対し、具体的かつ実効的な防止策を提示し、継続的に取組みを進めること
また、飛行場周辺における航空機騒音規制措置については、周辺住民の実質的な負担軽減が図られるための運用を行うとともに、同措置の実施に伴う効果について検証を行うこと
4 施設ごとに必要性や使用状況等を点検した上で、基地の整理・縮小・返還を積極的に促進すること