沖縄県労連も参加する「反貧困・反失業沖縄県ネットワーク」は、就学援助制度の周知と拡充を求めて、3月17日から各自治体を訪問し、要請活動を行っています。
初日の17日は、豊見城市、那覇市、浦添市、うるま市、名護市を訪問しました。
就学援助制度の申請や認定等については、手続きの簡素化が求められるところでもありますが、各自治体でばらつきがあります。
添付書類についても、基本的には申請用紙だけ)の提出で申請でき、民生委員の意見は求めていない(名護市)という進んだ所もあります。その一方で、国保手帳の写しの提出や、認定にあたっても民生委員の意見を求めている自治体もあります。
反貧困沖縄ネットでは、4月の新入学の時季を前に、すべての自治体に要請することにしています。
要請書の内容は下記のとおりです。
2010年3月17日
●●市教育委員会委員長 殿
反貧困・反失業沖縄県ネットワーク
代表世話人 自由法曹団県支部事務局長・弁護士 仲山 忠克
沖縄県民主医療機関連合会会長・医師 新垣 安男
沖縄県労働組合総連合議長 中村 司
那覇市奥武山町26-24(201)
TEL 098(859)2110
就学援助制度の周知・拡充を求める要請
子どもの人格形成と学習環境の充実のためにご尽力されておられる貴職に敬意を表します。
ご承知のとおり、就学援助制度は、「義務教育は無償」とした憲法第26条と教育基本法(06年改訂)第4条「教育の機会均等」に基づいて、小・中学生のいる家庭に、新入学の準備金や学用品費、学校給食費、医療費などを補助する制度です。
景気の悪化による失業者の増加、家計の減収が深刻化するもとで貧困と格差が広がり、そのもとで子どもたちの貧困はますます増えています。
給食費などの督促の手紙を保護者へ渡すことができず、机の中へしまい込んでいる子ども、お金が無いために部活動を諦める中学生、子どもたちを支えるために自分のお金を使わざるを得ない教員など、事態はいっそう深刻となっています。
文部科学省は2009年3月11日に、就学援助を周知徹底するよう通知を出し、就学援助の支給が困難な自治体に対しては、補正予算を組んで補助するため措置を講じています。また、2005年度からは、就学援助の認定に際して民生委員の助言を求める必要はなくなっています。
しかしながら、県内の状況は就学援助制度が「広く周知」されているとは言えず、利用率は全国と比べても低位で推移しています。申請に際しいまだに民生委員の助言を求めたり、いくつもの添付書類が必要であったりします。そのため、なかには添付書類を入手するための手数料さえ払うことができず、申請を諦める保護者もいます。
就学援助制度がより利用しやすい制度として活用され、子どもたちがお金の心配をしないで学べる教育環境を整備するために、下記の事項の実現方について、貴職がご尽力されるよう強く要請をいたします。
記
1、就学援助制度を周知徹底させるために、入学説明会や入学式、始業式のときに、全児童生徒に「就学援助制度についてのお知らせを」を配布していただくこと。また、インターネットの活用を図っていただくこと。
2、「就学援助制度のお知らせ」は、認定基準を誰でも一目でわかるように、記載内容を工夫していただくこと。
3、申請用紙の配布は学校だけでなく、教育委員会の窓口やインターネット上でも取得できるようにしていただくこと。また、申請書の受付は教育委員会の窓口でも行っていただくこと。
4、申請書の様式はできるだけ簡略化し、必要な添付書類の取得に際して手数料が発生する場合には、免除措置を講じていただくこと。
5、年度途中でも申請を受け付け、その認定は4月に遡っていただくこと。
6、学校長が必要と判断した場合、保護者の申請がなくても学校長の裁量で申請するよう、周知徹底を図っていただくこと。
7、給付内容を改善し、眼鏡の購入や卒業アルバム代なども給付対象としていただくこと。 以上