一定の年齢に達すると役職から外され、賃金がダウンするという役職定年制度というものがあります。

2005年内閣府の調査によると調査対象企業の24.6%の企業に制度があるという結果が報告されています。

また、2006年の産労総合研究所の調査では、役職定年制度を導入している企業の割合は40.4%に達しています。

これまでもみちのく銀行や熊本信用金庫など、裁判では金融関係で争われてきた事例がありますが、上記のような調査結果をみると金融関係に限ったことではなさそうです。

県内のある企業では、55歳に達すると役職定年制の適用対象とされ、賃金が段階的に引き下げられて最終的には54歳時点での賃金の5割が削減されます。

制度が改定とやらで3割カットとなる労働者もいますが、3割にしても大幅なダウンと言えます。

制度の導入に関して言えば、労働条件の不利益変更になるわけですから、それなりの合理的な理由が必要とされます。

55歳以上の行員を専任職として賃金を削減したみちのく銀行事件では、削減率の多い原告で45%の削減でしたが、最高裁判決は「高年層の行員だけ大幅な不利益を生じさせ違法」と判断しています。

賃金の削減率だけでなく、役職定年制度を導入しなければ経営上の高度な理由の有無、代償措置の妥当性等々についても判断要素としています。

先に挙げた調査によると役職定年制度を導入している企業は、比較的規模の大きい企業が多いとのことですが、必ずしも企業経営が大変だから役職定年制度を導入しているとは言えないようです。

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