税が悪魔になるとき4月1日から消費税が5%から8%に大増税となり、来年10月から10%になりそうである。
安部首相は、経済状況を見ながら今年中にも10%に引き上げるかどうか判断するという。
8%でも悲鳴をあげている国民が大勢いるなかで、10%なんてとんでもない。

「税が悪魔になるとき」(新日本出版社)は、ジャーナリストの斎藤貴男さんと税理士の湖東京至さんの対談がまとめられたものである。章立てを見ると次のようになっている。
1 消費者が負担しているというウソ【欠陥①】
2 転嫁できなくても転嫁していることにする【欠陥②】
3 消費税は「間接税ではない」【欠陥③】
4 ないところから取る
5 財界が税率アップを要求するワケ
6 輸出品のみ「ゼロ税率」の不公平【欠陥④】
7 消費税が派遣労働者を増やす【欠陥⑤】
8 「飲食品非課税」「軽減税率」「福祉目的税」を考える
9 誰でも共感できる税制に
10 この増税、やってはいけない

労働者と消費税

すでにお察しのことと思うが、「税」は消費税を指している。
【欠陥①から⑤】によって、消費税の悪魔性が発揮される。
私は労働組合の人間なので、欠陥⑤について紹介する。
消費税は、売上額×5%(現在は8%)ー仕入額の5%(現在は8%)により納税額が計算される。
直接雇用する労働者の賃金は仕入額ではないので、消費税の課税対象となる。
一方、派遣労働者を使うと仕入額に組み込むことができるので、消費税の課税対象にならない。
よって、会社の利益を上げるためには、労働者を直接雇用するより派遣や外注という形で消費税の負担を減らすということである。

消費税と労働者派遣法の改悪

消費税が3%から5%に増税された1997年の前年、96年には派遣労働が可能となる業種が16業務から26業務に拡大されている。
その後も99年に派遣労働が原則例外から原則自由化と改悪され、2003年には製造業への派遣も可能となった。
今や、派遣が認められない残された「聖域」は、港湾、建設・土木、警備だけになっている。

安倍首相は、消費税の8%増税を成し遂げ、さらに10%への増税を狙っている。
それと軌を一にして労働者派遣法を改悪し、「一生派遣」に道を開こうとしている。
労働者にとって、消費税はまさに悪魔の税制である。

「1 消費者が負担しているというウソ【欠陥①】」について、「ウソ 私がもらう買い物のレシートにはちゃんと消費税○○円と書かれている。」と思われる方もおられるでしょう。
私もそう思っていました。
すべての場合で「負担していない」とは言いませんが、その答えはご自分でお読みになって考えていただきたいと思います。

やっぱり消費税は廃止するしかない税制であることがよく理解できます。 

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