学習の友安倍首相によると、今国会は「働き方改革国会」だそうである。

その柱は裁量労働制の適用範囲拡大、高度プロフェッショナル制度の導入、残業の上限規制である。

裁量労働制の適用範囲拡大は、根拠となるデータがデタラメだったことが明らかになり、撤回に追い込まれた。

「働き方改革国会」と銘打っただけに、安倍首相は、会期延長をしてでも今国会で成立させようとしている。

そんな報道が流れてきているのだが、それには断固として反対である。

ところで、1880年代のアメリカで歌われていた歌があるという。

8時間労働制を求める歌で、「8時間ソング」とか「8時間労働の歌」と呼ばれている。

資料によって歌詞は異なっていて、原詩が違うのか、訳者によって違ってきたのかは、私にはわからない。

いずれにしても、130年以上も前のアメリカの労働者のスローガンが、今日の日本でもピッタリ当てはまるのだから、異常としか言いようがない。

8時間ソング「パンとともにバラを」

世直しのとき それはいま

働きすぎはごめんだぜ

さあ、集まれ 語ろうよ

働くのは8時間 休むのが8時間

あとは自由な8時間

 

世直しのとき それはいま

人間らしく暮らしたい

さあ、集まれ 歩こうよ

働くのは8時間 休むのが8時間

あとは自由な8時間

 

世直しのとき それはいま

パンとともにバラを

さあ.集まれ 歌おうよ

働くのは8時間 休むのが8時間

あとは自由な8時間

(広中徹・比嘉昇・山ノ木竹志訳詞)労働者教育協会「学習の友」2005年4月号から

 

八時間労働の歌

おれたちは仕事をほっぽりだそうと思う。

おれたちはやっとこさ、生命をつなぐだけの金で

働くことにまったくつかれきってしまった。

考える時間なんか一時間もないのだ。

おれたちはお天とうさまの光をあびたい。

おれたちは花の匂いをかぎたい。

神さまもきっとそうしたことをのぞんでいられるはずだ。

だからおれたちは八時間労働がほしいのだ。

おれたちは造船所や大小の工場から、おれたちの仲間をよびあつめよう。

第一の八時間は仕事のために、第二の八時間は休息のために、そして残りの八時間はおれたちの好
きなことのために!!

(「八時間労働の歌」R・Oボイャー、H・Mモーレス著『アメリカ労働運動の歴史I』岩波醤店)

労働者教育協会「学習の友」1989年4月号別冊「メーデー その歴史と伝統」から