お話されたのは、川人博弁護士(過労死弁護団全国連絡会議幹事長)と高橋幸美さん(過労死等を考える家族の会)でした。
まつりさんの遺影を前に「今日は娘のワンピースを着けてまいりました。」と、話を切り出した高橋さん。電通事件の高橋まつりさんのお母さんです。
昨年の寺西さんのお話もそうでしたが、遺族の方のお話は涙なしに聴くことはできません。
生前のまつりさんは、心配するお母さんに「同僚にも、労働組合にも相談しているので大丈夫」と話していたとのことでした。
労働組合に関わる者の一人として、労働組合に相談した時に、労働組合が適切な対応をしていれば、まつりさんは死の選択をすることを避けられたのではないか?
あるいはまた、こんな酷い働かされ方がまかり通る職場の実態を知らなかったはずはないであろうに・・・
とても考えさせられる内容でした。
電通が罰金50万円の判決を受けたことに対しても、「人が死んでいるのにわずか50万円の罰金、あまりにも軽すぎる。もっと重い罰にすべき」とも話されました。
これは、私も同感です。
比較対象が適切かどうかの問題はありますが、ゴミを他人の屋敷に投げ込んで不法投棄した場合、「1000万円以下の罰金又は5年以下の懲役」です。
もちろん、様々な要素がからんで刑罰は決まるのでしょうが、人の命を奪って50万円とは軽いなんてもんじゃありません。
川人弁護士は言いました。
「「たかが労基法違反」との意識を払拭すること」が大事。
問題は、企業・使用者が「たかが労基法違反」との意識を払拭して貰えばよいのですが、現実にはなかなかスムーズにいくとは思えません。
やはり、企業の中で「たかが労基法違反」との意識を払拭させる力を、働くものが身につけることが必要です。
労働組合があれば労働組合の力を強め、働く者の命を健康を守る活動を真正面に掲げてたたかう労働組合に育てること。
労働組合がない職場では、労働組合をつくって“働かされすぎない職場”に変えていくためにがんばりましょう。
電通だって1991年に起きた過労自死事件で断罪されながら、全く変わらなかったのは、内部から規制する力が全く働かなかったことにも要因があると思います。
働かされすぎでもう大変!
そんな方は、全労連の労働相談フリーダイヤル 0120ー378-060 にタイヤルを。
お近くの全労連加盟組合につながります。