自分が働いている会社についても、調べてみることが大事です。
会社の資本金、役員構成、主な株主、営業種目、会社の職制機構、損益や財務状況などについて、どれだけ知っていますか?
株式を上場している大手企業なら、有価証券報告書を入手するという方法もあるのですが、そうでなければこれらを知ることについても、ある程度の努力が必要になってきます。
基本的な事項を手軽に調べるには、法務局で会社の登記簿謄本(全部事項証明書)を取ることです。
非上場企業でも、一定の規模を有する企業であれば、
日本経済新聞社の会社総覧
東洋経済新聞社の会社四季報未上場会社版
などに掲載されている場合もあります。
最近は、ホームページで情報を発信している企業も多いので、参考になります。
このように、会社のことを調べることが、場合によっては労働組合の結成を促進こともあります。
ある運輸会社では、労働条件が悪く、その改善を求めて労働組合を作ろうと学習を始めたのですが、なかなか踏ん切りがつきません。
ワンマン社長のことだから労働組合を作ると怒り狂うのではないか?
攻撃がかけられた時、団結を保っていけるのだろうか?
等々の不安が大きく、労働組合を結成してワンマン社長に要求を出すという決断ができずにいたのです。
ところが、ある時点をきっかけに労働組合づくりに拍車がかかりました。
団結を強めて労働組合を結成し、社長に労働条件の改善を要求して、一歩一歩要求を実現していったのです。
そのきっかけは、会社の登記簿謄本を取り寄せたことでした。
登記簿の「営業種目」の欄には、"馬の飼育"が記載されていたのです。
労働者たちは、社長が競馬馬に入れ込んでいたのは知っていたのですが、その費用はてっきりポケットマネーだと思い込んでいました。
それが、れっきとした会社の営業種目だったのです。
労働者を安い賃金でこき使って、馬につぎ込んでいるのは許せない。
労働者は馬よりも大切にされないのか
そこで怒りが爆発したのです。
登記簿謄本や土地・建物の謄本からだけでも、ある程度のことはわかりますので、ぜひ取り寄せてみましょう。
余談ですが、ある企業の残業手当未払い事件で、訴訟を準備するために登記簿謄本を取り寄せました。
資本金の欄には50万円と記載されています。
ええ~っ
労働者がビックリするやら、あきれるやら。
その企業が職安に提出している求人票には、資本金1000万円の記載が!!
公表している数字が、あてにならなかった一例でした。
詳しく学習したい方は、労働組合づくりの基礎知識が参考になります。