雇用保険の目的は、「労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、・・・」(雇用保険法第一条)です。
労働者が、何らかの事情で失業したときに、失業等給付(基本手当など)を行います。

自分の意思で自発的に退職した場合、会社の都合(倒産やリストラ等)で退職せざるを得なかった場合には、通常の手続きで給付を受けることになります。

※ここでは説明しませんが、形としては自分から辞表を提出して辞めた場合でも、非自発的離職として、会社都合と同じように扱われる特定受給資格者として認定される場合もあります。

それでは、会社から解雇された労働者が、解雇の効力を争っている場合には、どうなるのでしょうか?

解雇は無効だ!!

労働者がいくら叫んでも、実際に仕事ができて、収入を得られる訳ではありません。
労働者は失業状態に陥れられてしまいます。

こうした場合には、労働者保護の観点から、資格喪失(失業認定)の確認後、雇用保険から基本手当が支給されます。
この制度は”仮給付”と呼ばれています。
仮給付ですので、争議が解決し争議期間中の賃金が支給された場合には、返還しなければなりません。

なお、ハローワーク(公共職業安定所)で仮給付の手続きを行う際に、雇用の効力を争っている旨を証明するものが必要になります。

それを証明するものとしては、労働委員会や裁判所の受理証明書があります。

また、労働局に対するあっせん申立てを行った場合、その申請書でも受け付けられるようになっています。

以前は、仮給付の申請時に受理証明書を添付しなくても、「整った時点で提出する」ことで、問題なく申請できていました。
ところで、最近では沖縄県内の職安は、申請時に添付することを求るようになってきています。

解雇された労働者は、ただちに生活に困ることになるのに、裁判や労働委員会に提訴するまでには一定の時間を要します。
仮給付の申請時に、証明者の添付を必須条件とせず、入手できた時点で提出ことに改めてほしいものです。
また、労働組合としての団体交渉申入れ書も証明するものとして、認めてることになれば、労働者の生活へのマイナス影響も幾分緩和できると思うのですが、厚生労働大臣は考えていただきたいものです。