現在の雇用保険制度では、離職の理由、被保険者期間、離職時の年齢の三つの要素の組み合わせによって、受給できる日数や給付制限の有無が決められています。

離職理由には、
自分の都合で辞める自発的離職
自分の都合ではない非自発的離職
があります。

自発的離職の場合には、、給付制限3か月があり、給付日数も非自発的離職と比べるとかなり短くなります。

例えば、被保険者期間が5年以上10年未満で、自発的離職は年齢に関わりなく90日の給付日数に対して、非自発的離職は30歳未満で120日、60歳以上65歳未満で180日となっています。

自分の勝手な都合で辞める者は、それだけの備えをしているだろうし、ペナルティーを科してやろうという、意味なのでしょう。

いやですね、こんな発想は!!

ところで、形としては、労働者が自ら退職を申し出て退職した形をとる場合でも、本当に”自己の都合で退職した”とは言えない場合があります。
それが、特定受給資格者という考え方、制度です。

特定受給者に該当する人は、下記のような事情などで離職した人のことです。

 倒産、事業所の縮小・廃止、事業所移転で通勤が困難になった、いわゆる会社都合によって、辞めざるを得なくなった。

 採用時の条件と実際の労働条件が著しく異なった場合。

 職場でのいじめに耐えられず辞表を書いて辞めた。

 賃金が3か月以上、給料日に支払われなかった。

 事業主の法令違反による離職。

 1年未満の有期雇用契約の更新が明示されている更新拒否での離職。等々・・

このような場合には、特定受給資格者として、給付制限の対象にはなりません。
また、給付日数でも自己都合による退職より長い日数が支給されます。

純粋に自己の都合で退職したのではなく、職場の中に働き続けられない原因があって退職した場合には、職安の窓口に「特定受給者のしおり」が置いてありますので、目を通すことをお勧めします。
そして、該当すると思われるときには、職安に申請しましょう。

そのためには、離職票にきちんと目をとおして、離職理由欄が正しくチェックされているかどうかを確認しましょう。