いま、「派遣切り」で多くの派遣労働者が仕事を追われ、寮から追い出され、路上生活者となるなど、社会問題となっています。
ところで、請負名目でありながら、実は派遣労働という偽装請負が多くの企業でまかりとおっています。
この偽装請負とはなんでしょうか
民法623条によれば、請負とは、仕事を請け負った請負人が、注文主から請け負った仕事を完成させることを約束し、請け負った仕事に対する報酬を注文主が支払う旨の契約をいいます。
請け負った仕事をどのようにやるのかは、請負人が判断して進めることになります。
自動車、電機などの製造業で、仕事を請け負っている会社の労働者に対して、業務上の指示ができるのは、請負人である会社になります。
派遣労働とは、派遣元企業に雇用された労働者が、派遣先企業に派遣され、派遣先企業の指揮命令にもとづいて仕事をする働き方のことです。
請負名目であっても、請負人の雇用する労働者に業務上の指示を、注文主が行っている場合には、実質的には派遣労働になります。
大手企業などで、実質的には派遣労働でありながら、請負を偽装するやり方をとっているのは、派遣労働であれば同じ部署で3年働かせて場合、直接雇用を申し入れなければならないため、何年働かせても直接雇用の義務が生じない請負が都合が良いからにほかなりません。
自分の働き方が偽装請負なのかどうかについては、採用される時点ではなかなかわからないとは思いますが、偽装請負かもと思われる場合には、もよりの全労連加盟組合に相談しましょう。