米海軍兵による女性殺害事件の被害者を追悼し、日米政府に強く抗議します (追悼・抗議声明)

 4月13日未明に北谷町で発生した在沖米海軍兵による凶悪な女性殺害事件に、深い悲しともに大きな衝撃を受けています。亡くなった彼女はもう抗議することができません。被害者のご冥福を心から祈るとともに彼女の無念さ、恐怖、残された遺族の深い悲しみと苦悩、心の痛みを伝える者として私たちは声をあげます。この事件は沖縄に暮らす私たちすべてに起こりうるもので、「彼女」は「わたし」だったかもしれない・・・・」との思いを強くします。

 被害者女性を殺害した後に自殺した加害者米海軍兵は、今年1月から事件当日まで被害女性への(接近・接触)を禁止する軍事保護命令の対象者であり、身の危険を感じ米軍へ訴えていた被害者女性は保護されるべき対象者でした。にもかかわらず米軍は女性を保護するどころか加害者海軍兵に(外出・外泊)許可を与えています。この惨事は、米軍が被疑者へ外出許可さえ与えていなければ、また、県民が望む駐留兵への基地外行動の規制を強化さえしていれば、防げたかもしれません。

 事件の起こった4月は、2016年に殺害された女性の三年忌に当たります。あの事件後に日本政府は「パトロール」を実施しましたが、何の予防策にもならず形骸化した対策であっことは明らかです。これまで事件が起こるたびに米軍は「綱紀粛正」「教育の徹底」を誓ってきました。しかしその言葉もむなしく事件事故は繰り返され県民は裏切られ続けています。県民の命よりも米軍を優先する日米両政府に強い憤りを感じずにはいられません。

 更に、痛恨極まりないことは、この惨事を目の当たりにした第一発見者が幼い子どもだったということです。母親の無念さ、子の恐怖、精神的苦痛は計り知れません。被害者の遺族に対する十分な支援ときめ細やかなケアが求められます。また、社会的に起こりがちな被害遺族へのバッシングなどの二次被害をもたらすことがないように、徹底したプライバシー保護と配慮を強く求めます。

 日本国憲法の下に復帰してから47年、今もなお、米軍人・軍属による事件事故は後をず、平和憲法の保護を受けることなく県民の命は危険にさらされ、人権は蹂躙され続けています。私たちは、繰り返される米軍人・軍属による事件事故に何の再発防止策も講じることのできない日米両政府へ強い憤りを持って抗議するとともに、規律を守れない米軍には自国に撤収してもらい、沖縄に暮らす人々の「こころ」と「命」を尊重できる日米両政府であることを強く求めます。

一、日米両政府は、被害者遺族への謝罪と適正な補償を速やかに行うこと

一、日米両政府は、被害者遺族の保護と継続的なケアをきめ細やかに行うこと

一、日米両政府は、真実を究明し事件の全容を公表するとともに、再発防止策を講ずること

一、米軍は兵士の基地外行動の規制を強化し実行徹底すること

一、沖縄県は、被害者と遺族の保護を日米両政府に求めていく被害者支援窓口を強化すること

以上

抗議要請宛先

アメリカ合衆国大統領 ドナルド・トランプ 殿
中日米国大使 ウィリアム・F/ハガティ 殿
在沖米軍四軍調整官 エリック・スミス 殿
在沖米国総領事館総領事 ロバート・ケプキー 殿
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
衆議院議長 大島理森 殿
参議院議長 伊達忠一 殿
防衛大臣 岩屋毅 殿
外務大臣 河野太郎 殿
沖縄及び北方対策担当大臣 宮腰光寛 殿
特命全権大使(沖縄担当)川村裕 殿
沖縄県知事 玉城デニー 殿

米海軍兵による女性殺害緊急追悼・抗議実行委員会