沖縄県の最低賃金が10月から引き上げられ、現行762円から790円に引き上げられます。

“過去最大の上げ幅”とされていますが、問題は、「健康で文化的は最低限度の生活」(憲法第25条)、「人たるに値する生活を営むための必要を満たす充たす」(労働基準法第1条)ができるかどうかです。

その視点から捉えれば直ちに1000円実現、1500円の早期実現が必要です。

ランク制最低賃金のもとで、沖縄県でも若年層の流出超過が続いています。

流出先は、東京、大阪、神奈川など賃金の高い都府県に集中しています。

賃金水準が最低賃金に張り付く状況が存在するもとで、最低賃金の格差は賃金の格差となって現れいます。

水は高いところから低いところに流れますが、人は賃金の低いところから高いところへの移動しているのです。

2018年には15歳から19歳層で1471人、20歳から24歳層で1275人の流出超となっており、それ以降の年代では流入超に転じるものの、若年層の減少を埋めるには至らず、県全体では753人の流出超となっています。

“8時間働いて普通の暮らしをする”ために、最低賃金を大幅に引き上げなければなりません。

最低賃金の目安を決める中央最低賃金審議会、都道府県の最低賃金を審議する都道府県の最低賃金審議会の委員の皆さんは、労働者の生計費についてしっかり議論していただきたい。

厚生労働大臣が「生計費を充たすには厳しい」と認める現状を、抜本的に改める議論が必要です。

最低賃金法第20条2項は「厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、・・最低賃金審議会の意見の提出があった場合において、その意見により難いと認めるときは、理由を付して、最低賃金審議会に再審議を求めなければならない。」と定めていますが、この条文は死文化していると言っても過言ではありません。

厚生労働大臣と都道府県労働局長は、中賃や地賃の投信に答申を尊重する立場はあるとしても、答申内容を認めるだけでは誠実に職務を果たしていると言えるのか考えていただきたい。