10月13日と14日の両日、全労連九州ブロックの「オルグ養成講座」が、福岡県原鶴温泉で開催され、九州各県から60名を超える仲間が参加しました。

組合員だけでなく、広く労働者、国民の要求を実現し、安心・安全社会を築いていくためには、労働組合を大きくしていくことが求められています。

そのためには、多くの仲間が労働組合をつくっていく役割を果たすことが大事です。

今回は、労働紛争を解決するための制度として、労働委員会と労働審判制度を取り上げ、どのように活用していくかを学習しました。

初日は、「労働委員会の現状と積極的具体的活用について」、神奈川労連議長の水谷正人さん、「労働審判制度の現状と活用方法について」、福岡の井下顕弁護士の講演がありました。

また、労働組合活動でフェイスブックやツイッターといったツールをどのように活用するかについて、鳥巣雄樹長崎県労連事務局長の講演の三本立て。

二日目は、それぞれのテーマを深める三つの分科会に分かれて、研修を行いました。

このオルグ養成講座に参加したUさんの感想を紹介します。


神奈川労連・水谷正人(県労委労働者委員)さんの「労働委員会の現状と積極的具体的活用について」講座では、憲法28条を守るために委員を獲得し、労働委員会に監視の目をもって憲法28条を生かしていくのが大切だとの話に納得。

水谷さんが様々な努力、工夫を重ね、労働者の立場に立つ委員になられたこと、また、「中立ではなく、常に労働者側に立つ」委員であることを肝に命じて活動されていることを聴き感銘を受けた。

全国でも労働委員会の利用件数は少なく、年にゼロ件か数件の県も多いとのことですが、沖縄県も少ない。

労働委員会を活用し意識的に変えることが必要ではと思う。

「立会(たちあい)団交を活動に活かしたほうがいい!」とのお話に、「立会団交って何?」と興味を示す人が多かった。

立会団交は、労委の立会の下に団体交渉を行うことで、意外と効果があるとのことで大変参考になった。

井下顕弁護士の講座で、 印象に残った箇所を記載すると、断片的ではあるが下記のとおりである。

最近は、言われるままに残業する人が多く、自分が悪い、自分に能力が無いからだと思い込んでいる人が多い。

労働事件は離婚裁判と同じようなもので、お前が悪いと言われ続けて反抗できない状況になっている。

しかし、調停や裁判で争っていくうちに、変わって(成長して)いくので、環境から脱してもらうのが良い。

やはり黙らず、諦めず、たたかうことが人間として成長することなのだなあと思う。

大事な事は、実務家になり、しっかりメモを取り実績を残す作業が大切で、勝利への道だと言われて反省した。

頑張ろう!

裁判に際して大切なことは、実務家になるのがいい。細かな作業(メモを取る)で 実績を残す。 細かくすべて残し、文章化していくことにより、大変難しい事件に勝利した事例が紹介された。

弁護士は料理人と言われる。事実を取り出して料理し、色合いをつけていく(法的主張にまとめていく)。

相談者に寄り添い、大事な事実を引き出していく、カウンセラー的要素も大事になってきている。