最近、うまんちゅユニオンは、とある警備業を営む会社と団体交渉を行った。

日に8時間を超えて働かされることは滅多にないが、「休日が日曜日だけとなっているから、土曜日の労働時間は“週40時間を超える時間外労働”にあたるので、残業割増分を支払え」が要求だ。

時給制となっていて、時給分は払われており、2割5分の割増分が未払いとなっているとの主張である。

ところが、団交で会社は「我が社は1か月単位の変形労働時間制を採用しているので、残業時間に該当する時間は無いので、払うべきものはない」という対応である。

この会社には三桁を超える従業員がいるので、就業規則は当然無いといけない会社。

組合員のなかには、勤続18年と6年の労働者がいるが、口を揃えて「就業規則なんて見たことも聞いたこともない」という。

組合 会社は、就業規則を従業員に周知しているのか?

会社 それは周知していない。周知しなければいけないのですか?

組合 当たり前ですよ。労働基準法で周知は義務づけられている。

会社 どうやって周知するのですか?

組合 見やすい場所に掲示又は備え付けて周知することになっている。業務の性質上直行直帰となっているので、コピーして渡すのが一番良い周知の仕方。それも労基法で認められている。

会社 就業規則には企業秘密が書かれている。他社に知られると我が社より高い給料で従業員を引き抜かれることもあるので会社は困る。

組合 就業規則に従業員個々人の賃金が記載されているわけないでしょう。書いてあるんですか?

会社 ・・・・

組合 仮に書いてあったとしても、周知しなければいけないんです。周知されていない就業規則に効力は認められません。

就業規則の周知についてのやりとりの概要は上記のとおりとなるが、あからさまに「企業秘密が書いてあるので周知していない」と、“正直”に言われたのは初めてのこと。

そこまで言うか! ある意味ビックリした次第。

組合は、日付を明示して請求金額を提示しているが、会社は「変形労働時間制だから」と検討さえしていない。請求金額が妥当かどうか再検討して次回団交で回答しろ!で第1回団交を終える。

次回団交が楽しみだ。

因みに、労働基準法第106条(法令等の周知義務)は「使用者はこの法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則<中略>を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。」となっている。

就業規則が周知されていない、就業規則が勝手に書き換えられている、など、就業期規則について疑問をお持ちの方は、全労連のフリーダイヤル 0120-378-080 までお気軽にご連絡ください。お近くの全労連加盟組合につながります。