沖縄県労連には、毎日のように労働相談の電話やメールが舞い込むが、ほとんどの相談者は労働三権や労働三法についての知識をを持っていないと言っても過言ではない。
学校でこれらのことをキチンと教えていないのだから、当然といえば当然と言えなくもない。
私も学校で習った記憶はあるが、それは労働三権や労働三法の内容に立ち入ることなく、試験対策として習ったに過ぎない。
・団結権、団体交渉権、団体行動権は労働者にとって大切な三つの権利だから、これを労働三権といいます。
・労働組合法、労働基準法、労働関係調整法は、三つの大事な法律なので、これを労働三法といいます。
こんな具合だから、試験が終わればすぐに頭から離れてしまう。
高校を卒業する生徒に対してオリエンテーションが行われているが、テーブルマナーやコミュニケーションに関するようなことであって、労働組合や労働条件について行われることはほとんどなされていない。
沖縄県労連は、オリエンテーションに労働者の権利を位置づけるよう県教育委員会に要請しているが、なかなか道は険しそうである。
そんな折、毎日新聞社から「15歳からの労働組合入門」が発行された。
著者の東海林智さんは、新聞記者として様々な現場を取材し、また新聞労連の元委員長など労働組合の役員としての豊富な経験を有している方である。
15歳といえば中学を卒業する年齢である。
中学校を卒業して実社会に出るにしろ、あるいは高校に進学するにしろ、また年代に関係なく多くの働く者がこの書を手にとって学習すれば、社会を変える力になるのかも知れない。
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