「雇用調背助成金で休業手当を全額助成」とのラジオニュースを耳にして、さっそく厚労省の資料をダウンロードして目をとおしてみた。なんど読み返しても理解できない。
私は、思考の柔軟さが極度に失われているらしい。
事業主が支払った休業手当等のうち、100%を国が助成するための条件をすべてクリアしている中小企業であることが前提となっている。当たり前だな、そのための説明資料だから。
理解できないのは、真ん中の囲みの中の下段部分(図の赤いアンダーライン部分)に、「①労働者の休業に対して100%の休業手当を支払っていること、②上限額(8330円)以上の休業手当を支払っていること」との関係だ。
1、厚労省は平均賃金を8,000円と設定している。下段の左から3番目の囲みまでは問題ない。
平均賃金8,000円の8割となる6,400円の休業手当を支払った場合の計算だ。
2、ところが、これを上記の①と②に当てはめてみると、①100%の休業手当となると8,000円となり、②の上限額(8,330円)以上の休業手当を支払っている、との条件を満たさない。②の条件は満たさなくても大丈夫なの?
3、また、「②上限額(8,330円)以上の休業手当の支払い」を条件としながら、対象労働者1人1日当たり8,330円が上限」(右下の赤いアンダーライン部分)となるのもどうしてだろうか。
平均賃金が9,000円だと設定すると、①の条件では100%の9,000円を支払ってクリア、②の条件も、上限額(8,330円)以上を払っているのでクリア。
やれやれ、これで9,000円の休業手当全額が助成されると胸をなで下ろしたところで、「8,330円が上限です」と言われて、670円が事業主の負担となりやしないか?
これはもう、私にはクイズとしか思えない。
どこか、見落としがあるのだろうか?
上旬には詳細が発表されるとのことで、それを待ってみるが、その前にこのクイズを解いた方は教えて欲しい。