職場の中に様々な不満があります。

その不満を要求に高め、その解決を求めて労働組合をつくることになります。

しかし、労働組合を結成するきっかけとなる中心的な要求はいろいろです。

どのような要求になるかは、それぞれの企業の状態により異なりますが、一人ひとりの組合員が、労働組合が掲げる要求は自分の要求だと感じられることが大切です。

ある福祉施設で、お年よりの預金が理事長によって勝手に引き出され、使用される事件が起こりました。
その施設の労働者は、この事件をきっかけに労働組合を結成しました。
 

最大の要求は、お年寄りの人権が守られ、安心して生活できる施設を でした。

ある職場では、年末一時金(賞与)が大晦日にしか支払われません。
 

ですから、年末一時金はせめて20日には支払ってほしい

 という要求が、みんなの共感をもって受止められました。

 このように、労働組合をつくるきっかけ、要求はいろいろです。
ですから、要求をみんなで話し合って決めていくときには、どんな小さな要求であっても、次の点を大事にしましょう。

みんなが切実に解決を望んでいる要求
(目の前の交渉時だけでなく、長期的に構えて実現をめざすことも時には必要)

がんばれば実現できると思われる要求
(実現できそうな要求という意味ではありません。)

掲げる要求がみんなの一致する要求であれば、その実現のためにみんなで力を合わせてがんばることができます。
反対に、一部の発言力のある人たちだけの要求を掲げると、みんなで力を合わせてがんばることはできません。

 詳しく学習したい方は、労働組合づくりの基礎知識が参考になります。