「津労基署 ホンダを書類送検 労災事故報告せず」(2009年4月12日付しんぶん赤旗)

「労災隠し容疑で業者を書類送検 那覇労基署(事実と異なる虚偽の報告を行った、との内容)」(4月24日付琉球新報)

などの報道に見られるように、労災隠しが後を絶ちません。

労災事故が発生したにもかかわらず、その事実を労働基準監督署に届け出ないことは、犯罪行為です。

厚生労働省は「労災かくしは犯罪です」という表題のパンフレットを配布しています。(この記事のタイトルは、それを拝借しています。)

労働安全衛生法第100条は、「厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めたときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者、労働者、機械等貸与者、建築物貸与者又はコンサルタントに対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命じることができる。」と定めています。

そして、労働安全衛生規則97条は、「事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、様式第23号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。」と定めています。
(上記の様式第23号が「労働者私傷病報告」と呼ばれる内容の報告書です。)

労災隠しとは、労働者が労災事故に遭っても報告しなかったり、虚偽の報告を行う場合を労災隠しと言っています。

ちなみに、罰則は50万円以下の罰金(労働安全衛生法120条)となっています。

労災事故に遭ったのに、会社が労災保険の給付手続きをとろうとしない場合には、労災隠しの可能性がありますので注意しましょう。

もっとも、労災保険の給付を申請する当時者は労働者本人ですので、会社が手続きをしてくれない場合は、自分で労基署で申請しましょう。