沖縄労働局・労働基準監督署・ハローワークは、3月を労働条件明示・書面交付強化月間に設定して、周知活動を展開しています。
画像は、沖縄労働局の周知用ポスター・チラシです。
沖縄労働局によると、この労働条件明示・書面交付強化月間は、沖縄労働局管内だけで独自に設定しているとのことでした。
それだけ、沖縄では口約束だけで採用している企業が多いということなのでしょう。
3月も終わりに近づいている頃のアップですが、採用に際して労働条件を書面で交付することは、年間をとおした課題ですので、紹介しておきます。
労働基準法第15条(労働条件の明示)は「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。以下、略」と定めています。
この条文をうけて、労働基準法施行規則第15条で、さらに具体的に明示しなければならない事項を示しています。
一 労働契約の期間に関する事項
一の二 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
<以下、略>
これらの労働条件は、同条三項で「書面の交付」によって明示しなければならないことになっているのですが、これが案外守られていないのです。
沖縄県労連に寄せられる相談のなかにも「給料をもらって初めて自分の給料がわかった。」、「どういう具合に給料が計算されているか分からない。」、「実際の労働条件が採用時の約束と違う」というものがあります。
口頭であっても契約は契約なのですが、こういう場合には得てして労働者の言い分と使用者側の言い分が食い違うのが常と言っても過言ではありません。言った、言わないの世界です。
企業に採用されて働くことは、契約に基づく行為ですから、労働条件通知書などという使用者が一方的に交付するものではなく、双方が署名した労働契約書(雇用契約書)を取り交わすことが当たり前の社会になることが求められています。