うまんちゅユニオン沖縄の組合員が,6月1日に「糸満地域雇用創造推進協議会は未払い賃金102万675円を支払え!」と,労働審判申立を行いました。

組合員は,2015年12月から翌16年3月までのを雇用期間として,糸満地域雇用創造推進協議会(以下,糸満協議会)に雇用され,糸満市の地域雇用を創造するために働いてきました。

この糸満協議会は,タイムカードなどもなく,出勤すると「出勤簿」に判子を押すだけで,出勤時間や退勤時間を記録することをしていませんでした。

日々の業務を日報として提出するのですが,上司である統括が給料を計算する頃になると,日報を差し戻されて「残業時間は○○時間にしろ」と指示され,「給料は俺が決める。あとで恨みつらみを言うなよ」などと言われていました。

そんなことで,○○時間分の残業代は払われるのですが,○○時間を超える残業についてはタダ働きとなっていました。

また,雇用期間は3月までなのに,「事業のまとめをやれ」と4月も仕事をさせられました。

それにもかかわらず,4月分の賃金は1円も払われていません。

これまで何度か個人あるいはユニオンとして交渉してきましたが,まあ,糸満協議会の言い草はひどいものでした。

協議会事務局長は,「統括は残業代が全部もらえないことを,ちゃんと説明しなかったと言っている。残業代が全部もらえると思ったかもしれないね。残業代をもらえないことを言うべきだったんじゃないの」と平気で口にしています。

残業代って,もらえないことを説明すれば払わなくてもいいものなの?

残業代を払わないのは,「6か月以下の懲役,又は30万円以下の罰金」刑まである,れっきとした犯罪なんですけど。

出退勤を示す資料が乏しいなかで,ファイルのタイムスタンプ,メールの送信記録,退勤の途中給油した時のレシート等々,使える資料を探し出して「この日は,少なくとも○○時までは仕事をしていた」として計算したのが102万円余の金額です。

そうして計算した12月から3月までの4か月間で,法内残業時間19時間48分,法定外残業時間403時間48分,うち深夜労働時間83時間51分,休日労働時間114時間67分となり,過労死ラインをとうに超えた働かせ方になっています。

賃金が1円も払われていない4月も,92時間40分の仕事をしています。

そんな訳ですので,刑事告訴の準備も進めています。

ちなみに,糸満協議会が行っている地域雇用創造事業は,厚生労働省からの委託事業です。

原資は国民の税金です。

国民の税金を使ってやる事業で,労働者をタダ働きさせる意図をもって働かせてきた糸満協議会を黙って見過ごすわけにはいきません。