10月25日、名護市にある「ホテルゆがふいんおきなわ」を経営する前田産業との団体交渉でした。
労働者二人(男女各1人)が、料理長から「明日から来なくていい」と言われて解雇されたと主張し、これに対して前田産業は「そんなことは言っていない。当社が解雇した事実はなく、二人は辞職の申し出をした」として、主張は平行線をたどっています。
事のいきさつについては、今後のこともありますので子細に書くことは避けますが、昨日の団体交渉で、内心「え~っ」とビックリするトンデモ回答が飛び出てきました。
ユニオンの主張に対して、会社から「回答書」が寄せられています。
その中に、女性労働者(仮にAさんとしておきます)の件に関する「当社の調査結果」の項があります。
そこには、Aさんは「午前8時頃には調理場を無断で離れて更衣室のシャワールームの掃除をしていました。」との記載があります。
Aさんに、会社が言っていることは本当かどうか確認すると「そんな事実はない」と否定します。
そこで、会社に対して「回答書には、『Aさんが更衣室のシャワールームの掃除をしていました』とあるが、誰が現認しているのか?」と質したところ、会社は「監視カメラがある」と答えたのです。
え え え ! ! !
回答をその場で変えられたらまずいので、「ああ、監視カメラがあるのですね」くらいにしておきました。
更衣室のシャワールームを掃除していた
言うことが具体的ですよね。
「掃除をしていた」ことが現認できる監視カメラというのは、シャワールームの中に設置されているということです。
そうでないと、そこまでは言い切れません。
シャワールームは、普通に考えれば誰しも一糸まとわぬ生まれたままの姿になる場所です。
前田産業はそんな場所に監視カメラを設置しているのでしょうか?
一体誰が、従業員の生まれたままの姿を監視しているのでしょうか?
会社の回答が本当だとすれば、とんでもない人権侵害でしょう。
監視カメラがあるとしても、更衣室の外に設置されていて出入り口を監視しているのであれば「更衣室に入っていた」くらいの表現になるはずですが、「更衣室のシャワールームの掃除をしていた」ですからね。
更衣室周辺の見取り図を作成してもらっているので、すぐに会社の回答がホントかウソかはすぐにわかるでしょう。
それにしても、この前田産業の皆さん、弁護士さん1人を含めて5人が団交に出席するのですが、誰一人として名刺を持ち合わせている方がいないのです。
団体交渉では名乗っているので、それを特段非難する気持ちはありませんが、この世界に入って37年、何百件と交渉してきましたが、5人の団交出席者がいるのに、その全員から名刺をもらえなかったことは一度もありません。
そんなことも重なって、前田産業という会社は、かなり印象に残る会社となっています。