1886年5月1日、アメリカの労働組合が「1日の労働時間を、法律で8時間以内に制限する」要求を掲げてゼネストを決行した。

 その当時、アメリカの労働者の間に唄われていた「8時間労働の歌」は次のようなものだったと言われている。

   第1の8時間は仕事のため

   第2の8時間は休息のため

   そして残りの8時間は好きなことのために

このゼネストが1890年のメーデーへとつながり、今日まで世界各地でメーデーが開催されることになる。

それから120年経っているが、我が国では「1日の労働時間を法律で8時間以内に制限する」ことは、実現されていない。

昨日(2月8日)の琉球新報は、沖縄労働局調べとして「毎月勤労統計調査」をもとにした、2013年のパートタイム労働者を除く県内労働者の年間労働時間が2032時間(全国2018時間)となっていることを報じている(数値は従業員5人以上規模の数値)。

これを月平均で見ると、13年の所定内労働時間は159.0時間、所定外労働時間10.8時間である。

賃金は所定内賃金24万6118円、所定時間外賃金1万6179円となっている。

沖縄県がまとめた「100の指標からみた沖縄」によると、平成21年の男性の総実労働時間は168.2時間で全国ワースト2(ワースト1は長崎県の173.9時間)、女性の総実労働時間がワースト9の136.7時間(女性のワースト1も長崎県で144.7時間)となっている。

この年の一般労働者の労働時間は所定内労働時間161.8時間、所定外労働時間10.1時間となっており、4年でほとんど労働時間短縮は進んでいないと言える。

1990年頃、政府も年間総実労働1800時間とする目標を掲げた時期もあるが、今ではそんな掛け声もとんと聞こえなくなった。

代わりに聞こえてくるのは、「新しい労働時間管理」とか、「成果に対する報酬」など、労働時間短縮に逆行する懸念が強い施策ばかりである。

   第1の8時間は仕事のため

   第2の8時間は休息のため

   そして残りの8時間は好きなことのために

使うことができる労働時間にすることが、他方の掛け声である「ワーク・ライフ・バランス」を実現する道なのだが。