現役で働いている時は、個人経営で5人未満の事業所で務めている場合を除いて、通常は協会けんぽに加入するか、大きな企業であれば企業の健保組合に加入していることになります。

定年で退職し、継続雇用制度を利用しない場合、あるいは協会けんぽ等が適用されない企業に再就職した場合、健康保険はどうすれば良いのでしょうか。

選択肢は三つあります。その三つの選択肢のうち、どれを選択した方が有利になるのか、考えてみましょう。

第1の選択肢として挙げられるのは、配偶者や子どもが健保の被保険者である場合、その扶養家族として配偶者の保険に加入することです。

ただし、同一の生計が条件ですので、子どもはいるが生計は別という場合は、この方法は選択できません。

この方法だと、保険料の負担はありませんから、扶養家族となれる条件があるのであれば、最も有利な方法です。

配偶者は自営業で国民健康保険の被保険者となっている場合や配偶者が居らっしゃらない場合などは、第一の方法は選択できませんから、次の第2、第3の選択肢のうちから選ぶことになります。

第2の選択肢は、国民健康保険に加入する事です。

この場合、注意しなければならないのは、保険料です。

保険料は前年の所得に応じて決まりますので、結構な金額になると思われます。

自治体によっては一般会計から持ちだして、保険料を安く抑える努力をしている自治体もありますが、それでも現役時代と比較すると、保険料負担は増えることは確実でしょう。

第3の選択肢は、任意継続制度を活用する方法です。

任意継続制度とは、従来加入しいた健保に継続して加入することができる制度で、2年間は継続することが可能です。

手続きは退職して20日以内に行うことが必要です。

この場合は、会社が負担してきた保険料についても、自分で負担することになります。

役所の健康保険の窓口で依頼すれば、国民健康保険に加入した場合の保険料を計算して教えてくれますので、どちらの方法を選択した方が有利になるか判断材料になるでしょう。