沖縄県労連は、ほぼ毎年この時期に、様々の問題について学習する連続公開講座「サマースクール」を開催しています。

今年のサマースクール第一講座として、7月15日、九後健治日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)中央執行委員を講師に招いて、「地域主権改革で生活はどう変わるのか」をテーマに学習しました。

九後さんは、民主党の「地域主権改革」は、自民党政権が進めてきた①市町村合併による地方分権の推進、②三位一体改革による国庫負担の軽減、③官から民への行政改革推進などの構造改革路線を継承し、「小さな政府」を実現しようとするものだと指摘しました。

こうした地域主権改革は、第一に、義務付け・枠付の見直しにより、ナショナルミニマム(国民の最低生活保障)にかかわる国の責任を放棄し、第二に、「新しい公共」という概念のもとに、自己責任と自助を強調し、公共サービスに民間営利企業の参入を容認するもので、「この国のかたち」を変え、国民の生活に重大な影響を及ぼすものであることを、保育、介護、障害者福祉、社会資本整備の分野を取り上げて、その影響を詳しく述べました。

また、義務付け・枠付けの見直しに関して、条例委任事項について「条例の内容は、法令の『従うべき基準』に従わなければならない」、「法令の『標準』とする範囲でなければならない」、「法令の『参酌すべき基準』を十分参照した上で判断しなければならない」としているが、すべて自治体の財政事情によってはどのようにでも変えることが可能であり、国民の安全・安心を守ることはできないと強調しました。