全労連九州ブロック協議会は、7月22日、厚生労働省に対して下記の事項について要請し、その実現方を強くもとめました。

1,最低賃金について、以下のように改善すること。

 ①地域別最低賃金は、生活保護基準を下回らないものとし、「時間額1000円」以上となるよう引き上げること。

 ②審議会や専門部会を全面的に公開すること。

2,最低賃金審議会の委員の選任は、労働団体の系統の違いに配慮しバランスよく選出すること。地方最低賃金審議会の専門部会の委員選出についても公正な任命を行うこと。

3,全国一律最賃の実現をめざすこと。

 ①日額、月額設定を復活させ、全国一律最低賃金制度を確立すること。当面、地域別最低賃金のDランクをなくすなど、地域間格差を縮小させること。

 ②最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナルミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。

4,最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を増員し、監督行政の強化をはかること。

5,最低賃金引き上げへの理解を得られるよう、政府の責任において中小零細業者の経営支援を抜本的に強化すること。

 この要請の模様を、7月24日付のしんぶん赤旗が西日本のページで取り上げています。

以下に記事を紹介します。


暮らせぬ最賃 改善を
全労連九州ブロック 厚労省に要請

全労連九州ブロック協議会(嶺間信一議長)は22日、1000円以上の最低賃金引き上げと地域格差をつけない全国一律最賃制度への抜本改正を厚生労働省に要請しました。日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員秘書が同席しました。

九州の最低賃金は、一番高い福岡でも692円、大分・熊本643円、佐賀・長崎・宮崎・鹿児島・沖縄では642円にすぎません。全労連などによる「最低生計費試算」(25歳男性が1カ月自立して生活できる最低生計費)の時給1258円には、ほど遠い実態です。

宮崎の代表は「非正規雇用が常態化するもとで『働いて生活できる』ことが当たり前でなくなっているため、社会保険料なども払えないなど社会福祉基盤が大きく崩れている」と告発。嶺間議長は「最賃審議会が実質密室審議で、国民にとって信頼できる体制となっていない」と批判、審議会の公開と労働団体委員の公平な選任を強く求めました。

労働基準局労働条件政策課の子安成人指導係長は「最低賃金違反を根絶するため監視していきたい。最低賃金引き上げへの理解が得られるよう、中小零細業者への経営支援制度の強化、広報に努めたい」と述べる一方で、「審議会については公平性が保たれている」との考えを示しました。