北海道のある観光バス会社の社長が、観光客で賑わう沖縄に目を付け、休眠状態になっていた企業を買収し、観光バス会社として営業していました。北海道の会社も沖縄の会社も、社長は同一人物です。

ところが、思いもよらないコロナ禍でお客は途絶えてしまいました。

この会社は、以前から労働時間は「ハンドル時間と点呼・点検の時間だけ」と就業規則にあるとのこと、又「1年単位の変形労働時間制」を導入しているとのことで、何時間労働しても残業代を払いません。

そこで、ある労働者が「そんなやり方は違法だ、残業代をはらってくれ」と何度も要求しますが、一向に応じようとしてません。

それどころか、「北海道と同じように時給860円にしたい」と提案してきました。

因みに、861円が北海道の最低賃金です。(観光バスの運転手が最低賃金なんて信じられません。)

労働者はもちろん応じません。それで、賃金はこれまでどおり維持されることになりました。

いよいよ、コロナ禍が本格的になってきた2月25日から休業に入りました。

このコロナ禍に乗じて、時給850円を持ち出してきました。単に“休業中の話です”というものではなく、恒久的に賃金体系を改悪し、賃金を引き下げる余地を残す提案です。

他の労働者は「仕方がない」と了解しますが、その労働者は拒否します。

そして、沖縄県労連に相談し、一人でも加入できる労働組合“うまんちゅユニオン”に加入して、賃金全額の休業手当、これまでの残業代支払いを要求します。

しかし、まあ、時期が悪すぎました。

その時期北興道知事は緊急事態宣言を矢継ぎ早に発し、玉城デニー沖縄県知事も「県外からの来島自粛」を呼びかけている時期です。

団体交渉も指定期日に開催される見通しがたたず、再調整となっているところに、「北海道に来て整備業務をやれ」との出向指示が降って湧いたようにやってきました。

その組合員は、団交もしないうちに北海道への出向など納得できないので、ユニオン名で、要求している事案が解決するまで保留とする返事を送ります。

そうすると、健康診断も他の労働者は受けているのに、その組合員は保留。その上、組合員をさらし者にするような会社の共用LINEでのふざけたやりとり。

その挙げ句に、この社長「出向に応じないので欠勤と見なして休業手当は払わない」と通告し、本当に支払いません(本来なら、5月10日の振り込み)。

そこで、ユニオンは「5月末日限り休業手当を支払え」、同じく「5月末日限り残業代を支払え」と通知をだしました。

職種は運転手、勤務地は本社又は営業所で採用された労働者に、北海道で資格も経験もない正義業務をしなければならないんだ。しかもコロナの緊急事態宣言下の地で、ですよ。

出向は雇用契約上の義務とは言えないし、業務上の必要性もない、云云かんぬん。

不当労働行為の疑いも濃厚ですしね。

多分に、この社長はユニオンの請求を無視するでしょうが、その時は法定に引っ張り出しましょう。

それに、労基法違反で刑事告訴できる材料も沢山あるんですよね。

今の段階ですから、実名は伏せていますけどね、声を大にして言いますよ。

お~い 北海道にいる社長 労働者をウシェーティーナランドー