ある新聞のコラムに次のような話が載っていた。

この投稿に関係する部分の概要を紹介すると、次のようになる。

キャリアコンサルタント講座の例題として、「残業が続き仕事への意欲が湧かず、転職を考えている」という相談に、どのように答えるかとの例題が出された。

受講者が「上司に相談する」か「転職を勧める」か。悩んだ末に講師に解決法を尋ねると、返ってきたのば「正解はない」だった。講師は続けて「一般的な正しさではなく、相談者が幸せになる選択をする。それがその人の答えになる。」ということであった。

この講師の回答が間違っているとは思わないし、「相談者が幸せになる選択」することは、そのとおりだと思う。

そして「相談者が幸せになる選択」とは、相談する側と相談を受ける側が対話をとおして認識を一致させていく作業が必要となる。

労働組合の仕事をしている私でも、相談者に退職を勧めることもあるし、しばらくは我慢することを勧めることもある。

そうでありながらも、淋しさを感じてしまう。

それは、このコラムからは“たたかう”視点が見えてこないからだろう。

「残業続きで意欲が湧かない」のであれば、「意欲が湧かない」原因となっている「残業続き」を除去することだ。

相談者だけが「残業続き」であれば、上司など誰かに頼って解決できるかも知れないが、大方の職場では相談者だけでなく、他の労働者も残業続きである蓋然性が高い。

そうであれば、職場の仲間が力を合わせて、残業続きをなくすことが、相談者の幸せだけでなく職場の仲間も含めた皆の幸せにつながることになる。

職場の仲間が力を合わせて頑張るためのツールとして、労働組合が存在する。

Me too や、black lives matter を挙げるまでもないが、ダメなものはダメ!とたたかうことなしに、根本的な解決にはつながらない。

たたかってこそ、道は開ける!

と信じている。

「残業が続き仕事に意欲が湧かない」と感じている方は、全労連のフリーダイヤル 0120-378-060 までご相談さるることをお薦めします。全国どこから電話しても、お近くの全労連加盟組合につながります。