10月1日から、社会保険(厚生年金・健康保険)が短時間労働者にも拡張して適用されます。

これまで短時間労働者(パートタイム労働者)が、社会保険の被保険者となるには、職場の通常の労働者の「概ね4分の3以上」働いていることが条件となっていました(9月末まではそうですが)。

被保険者の適用を拡大するこの制度には賛否両論がありましたが、法律が改定され10月1日から施行されることになっています。

被保険者となる短時間労働者の要件とは

但し、すべてのパートタイム労働者が被保険者となるかというと、そうではありません。これには条件があります。その条件とは

1 働いている事業所が「特定適用事業所」であること。

特定適用事業所とは、同一事業主(法人番号が同一)の適用事業所の、短時間労働者を除く被保険者数が1年で6カ月以上、500人を超えることが見込まれている事業所のことです。

2 短時間労働者の要件は、下記のすべてに該当すること。

 ①週の所定労働時間が20時間以上。

 ②雇用期間が1年以上見込まれる。

 ③賃金の月額が8万8千円以上。

 ④学生でない。

 ⑤常時501人以上の企業(上に挙げた特定適用事業所)で働いている。

制度への賛否は別にしても、どの規模の企業に勤めているかで被保険者になれるかどうかが異なるというのは、「法の下の平等」という観点からどうなのだろうかと思う。

他にも、週労働44時間が認められている労働時間の特例、月の残業時間が60時間を超えた部分に対する割増率など、企業規模で対応が異なる場合が多いすぎます。

3 「4分の3」との要件に関しても、現在は「1日または1週の労働時間、1月のの所定労働日数が常時雇用される者の概ね4分の3以上」となっていますが、基準を明確化するとの趣旨で「概ね」を削除して「1週の労働時間および1月のの所定労働日数が常時雇用される者の4分の3以上」となります。

脱法的な雇用への悪影響を許さない取り組みを

制度の適用が始まれば、人件費増を嫌がる企業は、短時間老当社の社会保険加入を回避するために、パートタイム労働者を採用する際に労働時間は20時間未満(特定適用事業所以外では4分の3未満)としたり、場合によっては労働時間の削減を行うことも想定されます。

このような事態が起きないようにすることが必要です。そのためには、「会社が言っているのだから仕方ない」と諦めたりしないで、全労連の通話料無料のフリーダイヤル 0120-378-080 にダイヤルして相談しましょう。

「こんな会社で働くより別の会社を探そう」と転職を考えることもありますが、転職する前に相談するのも検討してみましょう。