沖縄県医労連は、4月16日の沖縄県への医療崩壊を防ぐよう求める要請に合わせて、医療・介護・福祉の現場で働く組合員からの聞き取り調査の結果を公表しました。
沖縄県医療福祉労働組合連合会(沖縄県医労連)は、➀県内の医療・介護・福祉労働者で作る労働組合で約2,500人の組合員がいます。上部団体の日本医労連は全国47都道府県に組合があり、約18万人の組合員を擁する唯一の医療産業別労働組合です。
医療、福祉、介護で働く仲間の生活と権利、地位の向上のために活動しています。あなたの職場で起きる様々な問題を解決するために、援助と支援を惜しみません。お気軽にご連絡ください。
連絡先は、電話 098-851-9326
mail : oki-iroren@herb.ocn.ne.jp
医療機関からの聞き取り調査結果
マスク・消毒薬、防護服が全く足りていない。マスクは看護師は3日に1枚使用、医師は個人で用意してと言われている。協力病院になっているが、防護服は看護師1人につき2枚しか支給されない。感染の不安で毎日勤務している。
患者受け入れ協力病院になったが、そこの病棟の担当は誰になるのか、看護師は不安になっている。病院は、「持病がある職員や未就学児を世話する職員は配置しない、希望者を募る」としているが、希望するスタッフがいなければどうなるのか。労働組合がある病院だが、組合役員はいなければ手を上げるしかない、と覚悟している。
すでに入院を受け入れているが、とにかく家族に移さないか不安。勤務後はシャワーを浴びてからでないと家に帰れない。また、同僚には不安が高まって勤務中泣き出す人もいる。
コロナ患者の受け持ちになったら、家に帰らずホテルに宿泊したい。県でホテルの借り上げや、ホテル代などの負担をしてほしい。
外来ナースだが、とにかく多忙。休憩をとれない日が増えてきている。医療従事者としての責任感だけで頑張っているが、体はクタクタ。自他ともに感染しないよう毎日気が張っている。病院以外のプライベートでも感染しない・させないようスーパーと病院と自宅の往復だけ。また、休校中の子供の世話・宿題チェックなどもできないくらい疲労があり。このような中で医療従事者に対し差別的な対応をされると、とても悲しく辞めたくなる。実際、コロナが落ち着いたらやめようと思っている。
家族の職場で、「家族にコロナ関連の仕事をしているか」とのアンケートがあった。
家族への感染が怖いので病院を辞めたいと思っている。
今回のコロナ対応について、状況変化に対応するため何回もマニュアルを作成し直したり、他部署との連携のための会議など患者対応以外の業務が増えている。
受け入れ病院のスタッフに対しては危険手当を付けてほしい。
ナースは持ち回りで日中に担当者が付くそうですが、精神的な負担が大きいと思うので、危険手当は必要。
娘や両親としばらく会うことが出来なくなることをどう説明して良いのかわからない。
家族と同居している人で、自分が感染することで家族を危険に晒すことを心配している人もいる。
中に入るナースへのガウン、キャップ、ゴーグルの供給の徹底と、サージカルマスクの優先供給は確実にしてほしい。
N95マスクを供給して貰えると心理的負担が減ると思う。
感染後の隔離施設に関しては、準備しておいてほしい。
隔離部屋に行ったナースの業務を他の職員が負担している、他のフロアからの応援や増員があればいい。
新婚ナース、妊娠予定希望者の確認がなされた。
医療従事者が休める宿泊施設などの完備、飲食などの食料支援。
マンパワーの早急な確保(一時的な増員)
医療従事者としての社会的使命もあるので、患者(コロナ感染者)は受け入れるべき。
感染したことによる病気休業の保障
マスクの充足(コロナ患者を受け入れるのなら、毎日取り換えられるだけの量を確保してほしい)。
カンファレンス室をお昼休みに使用したい(休憩室だけでは十分に体を休めることはできない)。
院内感染した場合の宿泊施設の確保。公共施設の開放などを早急に準備・設置をすぐにやる事=コロナ患者を全て受け入れることになるので、今の段階ではやってほしくない。
放射線の撮影をした後に、コロナ疑いであることが判明。全員を陽性として取り扱うしかない。
コロナ患者を受け入れるのであれば家族への感染が怖いので退職したい。
身体を休める為の場所の確保。
院内感染を想定した準備をしておく。辞める職員に対しどう対応するのか。
介護施設での聞き取り調査
面会は全面禁止にしている。業者の納品も玄関前にして施設内にはいれていない。家族の面会がなくなり、不穏になっている利用者が多くなっている。
マスク・消毒液の不足。発注しているが納品がいつになるか未定。
職員が体調不良になったら4日間は休むようになっている。休みが増えたり、一人でも感染者がでたら、施設閉鎖になる。デイサービスがストップしたら施設の運営がなりたたない。毎日が緊張。職員の精神的な負担も大きい。
職員が体調不良で休む基準が曖昧。
体調不良の職員および家族の体調不良の場合も感染リスクを避けるために休ませるが、休む職員が増えると利用者に対し充分なケアができない。また、出勤している職員の負担が大きくなり体調を崩すという負のスパイラルになっている。そもそも介護職員の配置基準が少なすぎる。
現在健康な利用者が家に閉じこもってしまい、運動不足や栄養の偏りなどの健康面が心配。
市町村単位での感染者数が発表されていないので、噂が一人歩きしており職員や利用者が不安になっている。市町村毎の発表にしてほしい。
国の政策で、状況に応じて通所介護事業所の職員が利用者宅を訪問することになっているが、慣れていない環境で同じようなケアが出来るのか。また、その際に事故が起こったらどうなるのか。電話による安否確認であれば感染リスクもおさえられるのでそのようにできないのか。
福祉施設での聞き取り調査結果
マスク・消毒液不足。
入所者への面会制限と毎日の検温を行っている。感染者がでたら隔離をするようになっているが、その場所が敷地内にコンテナを設置しただけ。トイレはポータブルトイレ。生活環境としては劣悪で、別の病気の発生が心配。
県や社会福祉事務所などからの通達が出されていると思うが、施設内で職員に周知されていない。文書ではなく、口頭で伝えるだけ。職員の認識も受け止めも曖昧なまま。
施設として、コロナに関する対策会議が行われていない。現場の職員任せになっている。
福祉施設のコロナに関するガイドラインを作成して周知徹底を県が行ってほしい。
国保証が留め置きになっている利用者が市役所に問い合わせたところ、窓口での支払いなら即日発行できるが、振り込みでの支払いだと時間がかかり今月中には届かないと言われた。予約日に間に合わないため、窓口での受け取りにした。
南部医療センターでの診断書の受け取りは窓口か郵送かになっている。郵送はレターパックを買い⇒病院へ送付⇒その後病院から返送、で手間も時間もかかる。いずれも、外出自粛・人混みをさけるという行政方針に逆行するのでは? 改善してほしい。
以上